ログイン
IDでもっと便利に[ 新規取得 ]

ジャンル
サブジャンル

海外

中国に核攻撃を検討 50年前 米が機密文書を公開

5月1日11時31分配信 産経新聞


 【ワシントン=山本秀也】台湾海峡で中台両軍が局地紛争に陥った1958年8月、米国が中国沿岸の前線都市アモイ(厦門)周辺への核攻撃を検討したことを示す機密文書が公開された。米軍の策定した攻撃計画は、空軍機から10〜15トンの戦術核爆弾を投下する内容だったが、最終的にアイゼンハワー大統領(当時)の反対で回避された。
 ジョージ・ワシントン大学の研究機関を通じて公開された文書は、台湾、キューバなど58〜65年に世界各地で起きた5つの危機に対し、米空軍がどう対応したのかを地域別に総括した資料。空軍戦史部が68年に作成していた。
 この文書によると、中国への核攻撃計画は58年8月中旬、台湾支配下の金門島が中国人民解放軍の激しい砲撃を受ける第2次台湾海峡危機を数日後に控えた緊張の中で、トワイニング統合参謀本部議長らを交えて検討された。「沖縄、台湾への核報復というリスク」が将来的にあっても、蒋介石政権が支配する離島を防衛するというのが同議長の構想。中国側への抑止効果が薄ければ、上海などさらに広い範囲への追加攻撃も想定された。
 しかし、アイゼンハワー大統領が、「仮に金門島が中国側に制圧された場合でも、核兵器の使用は見送る」との意向を統合参謀本部議長に伝えたことで、計画は撤回された。核戦争を誘発する危険に加え、放射性物質による被害や、台湾側の防衛範囲に対する影響を米政権は懸念。ホワイトハウスでの会議で、同大統領は金門島への補給を米艦艇で護衛するなど、歴史が示す通りの決断を下していた。
 文書は、「共産側の侵攻が続いた場合は、核攻撃が実行されていただろう」との判断を示している。当時、米国は蒋介石政権との間で、「米華相互防衛条約」を締結しており、核兵器の使用検討のほか、台湾への軍事支援は同条約に基づいて進められた。

【関連記事】
既に始まった米中サイバー戦争  米国防総省報告
中国海軍高官が太平洋の米中分割管理“提案” 米司令官明かす
「明らかな犯罪活動だ」米中電話会談で胡錦濤主席
放射線から身を守る薬開発、米研究所が発表 細胞死を抑制
「中国のスパイ活動、最も攻撃的」米下院司法委公聴会

最終更新:5月1日11時31分

  • ソーシャルブックマークへ投稿 0
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • みんトピに投稿
  • はてなブックマークに追加
  • newsingに投稿
  • Buzzurlにブックマーク
  • livedoorクリップに投稿
  • Choixにブックマーク
  • イザ!ブックマーク
ソーシャルブックマークとは

Yahoo!ニュース関連記事

関連トピックス

主なニュースサイトで 中国人民解放軍 の記事を読む
みんなの感想 この話題についてみんながどう感じたかわかります。

みんなの感想(話題ランキング)

日付を選択:



提供RSS