【ニューヨーク=長戸雅子】4月29日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、政治問題にはもともと寡黙だった中国人留学生がチベット騒乱やそれに端を発した中国批判報道に不満を募らせ、全米の大学などで激しい抗議活動などを展開していると報じた。
記事は「中国への“偏見”と闘う学生たち」との見出しで、南カリフォルニア大学で講演を行ったチベット仏教僧侶に男子学生がミネラルウオーターのボトルを投げつけたことや、デューク大学の中国人女子学生、王千源さんが同じ中国人留学生らから脅迫を受けたこと、レギュラーコメンテーターが「中国人は小悪党」と発言したCNN本社への抗議活動に全米各地から中国人留学生が集まったことなど、“怒れる中国人留学生”の実態を列挙した。
同紙はこれらの怒りは(米メディアの)中国政府の描き方への失望や親チベット的な西側に対する不満が主な原因となっているとの見方を示し、「民主主義は信じているが、偏見に満ちた方法で私の国が批判されることは耐えられない」「天安門事件のときは西側メディアを客観的と思ったが、今回の件で西側メディアは中国メディアより偏向していることが分かった」とする留学生の言葉を紹介している。
また、「中国政府は彼らの膨大な量の電子メールを監視していると広く信じられていること」も、こうした抗議行動を加速させている要因となっていると指摘している。
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