(cache) 医療問題を注視しる！

☆医療問題を注視しる！☆

このページの内容に関して用法用量を正しく守り、医師に相談の上ご利用ください。
謝罪や賠償を要求されてもいっさい応じません、そんなことをしたらネタにするのでよろしく（笑）

　「今回は、医療崩壊について説明するぞ」

　「医療？それって世界史とか、コリアンネタは出てくるの？」

　「世界史はともかく・・・コリアンネタは関係ないだろ？」

　「あ～ら、コリアンネタはいまや世界史コンテンツのメインコンテンツじゃない♪かの国のネタを扱わないと人気なんか出ないわよ？」

　「まあ否めないけどな・・・しかしコリアンネタがメインだとすると、リューシーを主人公として認めることになると思うんだが、いいのか？」

　「い゛っ、それはダメよ！ヒロインはあたしでなくちゃ！」

　「呼びましたか？」

　「来たわね、キムチシャ○ティ！」

　「むっ、シャ○ティとはなんですかシャ○ティとは！全然違いますよ。謝罪と賠償を要求します！」

　「キムチの方はいいのかよ・・・」

　「と、ところで、よそにもゲームの歴史とか、世界史とは関係ないネタを扱ってるものはあるけど、それでも一応歴史は歴史よ？医療なんて扱ってもいいの？」

　「世界史コンテンツがそれほど縛りの厳しいものとも思えんが・・・」

　「しかしそれはともかく、現在の医療問題は、もし日本医療史ってものがあるとすれば確実にそこに軌跡を刻んでるんだぜ？刻むどころか、もしかしたら近い将来、日本医療史そのものが終わるかも知れねぇ。現在進行形の歴史って言えるわけだ。扱っても不自然じゃないと思うが？」

　「なんか、だいぶ苦しいみたいだけど」

　「まあ苦しいといえば、そもそもこの作者がこんな大それたテーマを書いていいのかって方なんだが・・・」

　「作者は別に医療関係者でもなんでもないですからね。おとなしく農薬の事でも書いてればいいんじゃないでしょうか？」

　「それもそうだが、農薬のほうはちゃんと立派な先達があるからな。書いても同じようなものになるし、今さら美味しんぼを読む気もしないしな・・・」

　「ダメじゃん」

　「そうは言っても、農薬批判なんかいつもいつもパターンが同じなんだ。ほとんど９５％は、量を無視してるか、質を無視してるか、農薬を使う百姓と消費者の立場を混同してるかのどれかなんだよ。少なくとも２０年は前から同じ事を繰り返してるだけ。だから反論を書いても全部同じ。」

　「１０年後は有機農業の時代になる！って３０年前から言われている、ってのは有名な話よね」

　「もっとも最近流行ってるのは、「農薬が危険なのはすでに常識となっていますが・・・」みたいに、議論そのものをすっ飛ばしちまうパターンだがな。」

　「強引な手で来てるわね。」

　「まったく、そこまでして、ふだん食ってるものを危険にしたいのかね？そもそも、ふだんの食い物くらい基本的なものが本当に危険だったら、日本が世界トップクラスの長寿国になれるわけがないだろうに・・・」

参考：WHO Core Health Indicator　より

http://www.who.int/whosis/database/country/compare.cfm?strISO3_select=JPN&strIndicator_select=LEX0Male,LEX0Female&language=english&order_by=FirstValue%20DESC

サンマリノ（８０歳）

　「ちなみにこういうこと書くと、寝たきり老人が無駄に寿命を延ばしてるだけだろうとか言う人がたまーにいるから書いておくけど、日本は健康寿命に関しては世界トップなのよ」

同じくWHO Core Health Indicator　より

http://www.who.int/whosis/database/country/compare.cfm?country=JPN&indicator=HALE0Male,HALE0Female&language=english

スウェーデンやアイスランド

　「もちろん食べ物だけでこういう成果が得られてるわけではないけどな。」

　「で、やっと医療の話になるわけ？いつもながら、本題に入るのが遅いわねぇ。」

　「日本が健康大国であるってことを示すのは、現在の医療を語る上で欠かせないデータだからな。本題のデータを先に出したってことにしといてくれ。」

　「はいはい。ところで、医療崩壊って最近は新聞とかテレビでもたまーに報道されてるけど、具体的にはどういう状態を指すの？」

　「うむ。医療崩壊とは、表面的には、医師が病院から退職して診療体制が縮小、あるいは診療科そのものがなくなったり、果ては病院自体が倒産して、その地域で医療機関がなくなって患者の行くあてがなくなることを指す。」

　「・・・なんか奥歯に物が挟まったような言いかたねぇ。表面的には、ってどういうこと？」

　「これは新聞とかのマスコミが医療崩壊を取り上げる時のイメージだ。実際にはかなり違う。実際の現場で起きてる崩壊ってのは正確に言うと日本型医療システムの崩壊なんだ。」

　「日本型医療システム崩壊？医療崩壊とどう違うの？」

　「大きな違いは、日本型医療システムが崩壊しても、違うシステムの上で医療が行われるようになるってことで、つまり医師や病院そのものが絶滅するわけじゃないんだ。もっとも、産婦人科の医者なんかはほんとに絶滅が危惧されてるけどな。」

　「なるほど。」

　「とりあえず、今の日本型医療システムの特徴を言っておくぞ。
まず先にも書いたとおり、健康寿命世界一、崩壊寸前といわれる周産期医療だって新生児死亡率世界最低、などなど世界トップレベルを誇る高クオリティ。
国民皆保険制度によって国民の誰もが専門医にかかれる高アクセス。
そしてきわめて安い医療費で賄われている、低コスト。
このクオリティ、アクセス、コストが極めて高いレベルでバランスが取れていたのが日本的医療システムだ。」

　「えっ、日本の医療費って安いの？医療費は今後すごく増えるから、削減しなくちゃいけない、って以前政治家が言ってたような気がするけど。」

　「安いな。まず有名な対ＧＤＰ比での医療費だが、」

参考資料：図録▽OECD諸国の医療費対GDP比率

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1890.html

　「先進国最低レベルだ。」

　「うわっ韓国やっす～。しかも公的負担が低いって事は自費の分が多いって事でしょ？さすが整形大国ね～」

　「むっ・・・ウリ達は病気にならないだけです！」

　「嘘をつくなよ・・・しかも見る場所が違うぞ。」

　「まあコリアンネタに触れられるのもここくらいだから。」

　「・・・話を戻すぞ。日本が安いのは医療費総額だけじゃない。実は個々の治療にかかるお金だってすごく安いんだ。」

参考資料：独り73-医療制度の国際比較

http://www.geocities.jp/yamamrhr/ProIKE0911-73.html

アジアの都市でも、日本よりは高い

たった1日の入院で200万円もの医療費がかかる

アメリカで盲腸の手術をすれば、１日で全快する、というわけではない

その日数しか病院においてもらえない

日本の盲腸手術の費用は極めて安い

　「物価が高いといわれる日本だが、盲腸手術は激安だな。」

　「いいい・・・これマジ？」

　「うろ覚えで申し訳ないんだが、日本で心臓移植をする時の手術料はタイでやるより安いってのをどこかで見た記憶がある・・・」

　「日本医療バンザイですね。」

　「で、その日本型がなくなるとして、違うシステムってのはどうなるの？」

　「今後どうなるかはまだわからんが、予想として有力なのは、１：アメリカ型医療システム、２：イギリス型医療システム、３：その他だ。」

　「へ～、それだったらアメリカ型がいいわよ。なんたってアメリカが一番でしょ！」

　「ルクス・・・本気でそう思うか？」

　「なによ、最先端医療といえばアメリカでしょ？よくドキュメンタリー番組なんかでも取り上げられるじゃない。」

　「アメリカ型医療システムっていうと、映画「シッコ」で有名になったヤツですか？」

Ｓｉｃｋｏ

　「そうだ。「ジョンＱ」って映画もあったな。」

ジョンＱ

　「さっきの盲腸手術の比較でも、ニューヨークで盲腸手術すると約２５０万、しかも入院１日で放り出される、となっていたな。」

　「貧乏人は死ね！って社会ですね。」

　「実はアメリカ人の個人破産の理由の第１位は、医療費が原因らしいぞ。」

参考資料：ロイター通信　２００５年２月２日付け

http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2005/02/post_3.html

ビル・ゲイツでもない限り、誰でも深刻な病気にかかったりしたら破産しかねない

半数が医療費を破産原因

1万1,854ドル

クレジットカード破産は破産者全体のわずか1％以下

深刻な病気から自己破産へ直行させる医療プラン

　「要点はなんなの、要点は！」

　「アメリカ型ってのはつまり、最先端の部分のクオリティが世界一なのは認めるけど、それを受けられるのは世界最高レベルの金持ちだけって制度なんだな。」

　「しかし日本の財界は、保険会社の立場を強くしてアメリカ型医療システムへ移行することを望んでいるようです。」

　「まったく狂気の沙汰としか言いようがねぇぜ。当のアメリカは、日本の皆保険制度をやりたいっていってんのに。」

　「イギリス型っていうのはどうなの？」

　「ああ、実際の今の日本医療はイギリス型の方向に向かっていると言われている。アメリカ型は顕著な高コスト型だが、イギリス型は顕著な低アクセス型だ。３時間待ちの３分診療って聞いたことあるか？」

　「待ち時間が長い割には、いざ医者に会ってもちょっと診察されるだけで帰されるってあれでしょ？」

　「うむ、イギリスではもっと酷くて、入院は１年後とか、帝王切開の予約日が出産日の８ヶ月前とか、もうメチャクチャになってるようだ。」

参考資料：道標：イギリスの医療の一例

http://sword.txt-nifty.com/guideboard/2006/11/post_8da5.html

こんな事だとは思わなかった !

イギリスで病気になってはいけない

イギリスの病院に行ってはいけない

悲惨の一言

最低限の社会保障ですらなくなっている

イギリス以上の低医療費政策を採るわが国の医療は、格段に優れているとわかる

時間をかけて

救急病院

数時間ないし一晩待たされる事が通常だ

救急病院の外来待ち時間を最大 16 時間以内にする

（救急なのに、１６時間以上待つ事が当たり前だって事ですな。）

がんの患者の手術が半年待ち

（ちなみに日本の医師に、患者を断る自由はほとんど無い）

　「イギリスはサッチャー首相のとき、医療費抑制政策を始めて、メチャクチャに押さえ込んだんだよ。
で、あまりに押さえすぎて医療機関側が切れちまったわけだ。
ブレア首相になったとき、さすがに方針転換して、医療費を大幅に増額したんだが時すでに遅し。一旦崩壊した制度が回復する見込みは一向に無い。」

　「イギリスの医療機関が切れたときの医療費ってどれくらい？」

　「今の日本よりも多い。ちなみに日本は、まだ下げようとしている・・・」

　「日本人医師の我慢強さは凄まじいわね」

　「まあ、もう風前の灯以下だけどな。」

　「それが、崩壊しようとしてるわけね・・・こりゃ問題だわ。」

　「いや、もう崩壊している。」

　「はああ？」

　「最近マスコミとかで取り上げられる医療崩壊ってのは、このままでは危ないぞ！とか、どうやれば食い止められる？ってのが多いんだが、的外れもいいところ・・・もう周回遅れなんだよ。」

　「夢も希望も無いですね。」

　「けど、もう崩壊してるってのはどういうことよ？日本ではまだ盲腸に１００万円もかからないし、３時間待ちとはいっても普通にどの病院でも行けるわよ？」

　「説明しよう。
突然だが、日本のトキが絶滅したのはいつだ？」

　「本当に唐突ね・・・横道にはずれようったってそうは行かないわよ？」

　「まあまあ、美少女考古学者なら楽勝でわかるだろ？」

　「ふ、そんな設定は私自身も忘れてたけど・・・たしか２００３年の１０月１０日に、日本最後の野生のトキが死んで、絶滅してるわね。今でも国内にトキはいるけど、全部中国から送られてきたヤツだわ。」

　「扱いやすくて助かるなぁ。」

　「何か言った？」

　「いんやぁ～気のせいだろ。ところで話を元に戻すが・・・もう日本に野生のトキはいない。ところで、ということは２００３年１０月１０日までは１羽はいたわけだが、１羽しかいない状態ってのは絶滅してないと言えるのか？」

　「まぁ１羽でもいる以上、厳密に言えば絶滅しているとはいえないけど・・・」

　「１羽では(*´Д`)ハァハァもできませんし、増える事もありませんから、ただ絶滅を待つだけですね。」

　「そうだ。事実上絶滅していると言えるだろう。では２羽だったらどうだ？」

　「２羽がオスとメスのつがいだったら(*´Д`)ハァハァはできますけど、子供が２羽以上でしかもつがいでないと同じことになって、ダメですね。」

　「や、それじゃ次の世代は近親交配になっちゃうわよ。インセストはヒト以外の動物でも虚弱児が産まれやすい事が明らかになってるから、生物全般共通のタブーといえるわね。」

　「同性同士の婚姻を認める国はあっても、兄妹の婚姻を認める国なんか無いと、パタリロ！で言っていたな。」

　「パタリロ・・・ギャグマンガをソースにしてどうするのよ。」

　「まあそれは冗談だが、例え２羽が５羽くらいだったとしても、世代を重ねればすぐに絶滅しそうな事は想像できるだろう。」

　「先進国のヒトやペットと違って野生動物は寿命を全うする前に事故などで死ぬことも多いですしね。」

　「野生のトキが自然に繁殖するためには、５００羽くらいいなければならないだろうと言われている。」

　「言い換えると、約５００羽を下回った時、トキの絶滅はほとんど決まるってことね。」

　「そう。この５００羽を下回る時点を、もう後戻りできないという意味で、PONR(Point Of No Return)という。」

　「で、何が言いたいのよ。」

　「つまり、日本的医療システムはまだ崩壊はしてないけど、PONRは過ぎてるって事だ。もちろんそんなものが公的に認められてるわけじゃないが、少なくとも現場の医師たちの間ではほとんど共通した認識だよ。」

　「医師たちの妄想乙、の可能性もあるわけね。」

　「ほとんど無いな。今の医療を取り巻く状況を理解すれば、これを改善できそうな対策も思いつかないし完全に手詰まりだし、手のうちようが無いからPONRを超えてるというわけだしな。もっとも、医療を保護しようって動きもほとんど見えないし、現在採られている対策はほとんど明後日の方を向いたものばかり・・・PONRを超えてる蓋然性はかなり高いといえるだろう。」