羽島市民病院(同市新生町)での看護実習中にワックスを塗った病棟フロアで転び、腰などに後遺症が残った岐阜市の女性(33)が、「病院側は安全配慮を怠った」などとして、施設管理者の羽島市と清掃業者(各務原市)に計約1315万円の損害賠償を求めて岐阜地裁に提訴していたことが30日、分かった。

 同日開かれた市議会全員協議会で、天野和雄病院長が報告した。

 訴状によると、女性は2004(平成16)年11月に医師会准看護学校の学生として同病院で看護実習中、ナースステーションを出たところで床に塗ったワックスに足を滑らせて転倒し、腰を強打。後遺症として椎間板(ついかんばん)ヘルニアを患った。卒業後、准看護師として診療所に就職したが、腰の痛みが悪化し、昨年10月に事務担当に転職したという。

 女性は「ワックスが乾いておらず、滑りやすい状態だったのに病院側が注意を呼び掛けたり、業者側が出入り禁止にするなど転倒防止に必要な措置を取らなかった」などと訴え、賠償金と慰謝料などの支払いを求めている。

 天野病院長は全協で「残念ながら転倒事故が発生したことは事実。相手側の主張を十分検討しつつ事実を明らかにし、裁判で審理していただく」と述べた。