国立感染症研究所感染症情報センターが4月30日にまとめたところによると、年明けから第16週(4月14−20日)までに全国の定点医療機関(3,000か所)から寄せられた百日ぜき患者の報告数は1,246人(速報値)だった。現在の形での集計が始まった2000年以降では最速のペース。特に20歳以上の成人患者の報告が全体の4割近くを占めているのが目立つ。
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百日ぜきは、百日ぜき菌の気道感染によって引き起こされる感染症。当初は風邪のような症状で、成人ではせきが長期間続く。短いせきが連続して出たり、息を吸う時に笛のような音がしたりする。
生後6か月以下の乳児では死に至る場合もあるが、成人では典型的な症状が見られず、見逃されるケースも多い。このため同センターでは、成人が知らないうちに感染源にならないよう、せきが長引くようなら早めに医療機関を受診するよう呼び掛けている。
第16週時点の患者報告数を見ると、今年は現行の仕組みによる集計が始まって以来最多だった2000年の961人を大幅に上回っている。
同センターによると、百日ぜき患者は同年には1歳までの乳児が6割以上を占めていた。成人患者の割合は数パーセントにすぎなかったが、02年ごろから年々増え始め、今年は現時点で37.8%を占めている。
ただ、百日ぜきの患者数は小児科医療機関からの報告を基に把握しているため、全体の状況を正確につかむことは困難という。同センターでは、「実際の成人患者の数はかなり多いのではないか」とみている。
更新:2008/04/30 18:13 キャリアブレイン
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08/01/25配信
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医師の山田規畝子さんは、脳卒中に伴う高次脳機能障害により外科医としての道を絶たれました。しかし医師として[自分にしかできない仕事]も見えてきたようです。