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暴走する愛国主義 米デューク大、王千源さんへの攻撃 (3/3ページ)
愛国集会の主体となった同大学の中国人学生組織は、学内や米国社会からの激しい批判を前に「この学生(王さん)の状況に同情する」との書簡を公開する一方、意図的な個人情報の横流しについては否定している。関係者によると、今回の言論に対する脅迫などについては、米司法機関が事情聴取に乗り出す構えをみせている。
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王千源さんへの脅迫事件 北京五輪の聖火リレーが米サンフランシスコを通過した4月9日、デューク大学構内で、「自由チベット」を叫ぶ米国人学生らの十数人と、親政府系の中国人留学生ら400人あまりが対立。緊迫した空気のなか、同大1年の王千源さんが対立を避けて話し合うよう中国人に呼びかけた。
王さんの仲介申し入れに対し、中国国旗を掲げたデモ隊は「漢奸(売国奴)」などの中傷を集団で浴びせた。直後に王さんの個人情報がインターネットでばらまかれ、中国語で「死体を刻んでやる」といった悪質な脅迫が殺到した。米メディアが事件を報じて、米国社会の強い関心を呼び起こした。