MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

暴走する愛国主義 米デューク大、王千源さんへの攻撃 (1/3ページ)

2008.5.1 00:11
4月9日、米ノースカロライナ州のデューク大学構内で、王千源さん(手前後ろ姿)を囲み、ののしる中国人学生ら=学内紙デューク・クロニクル提供(c)Zachary Tracer The Duke Chronicle4月9日、米ノースカロライナ州のデューク大学構内で、王千源さん(手前後ろ姿)を囲み、ののしる中国人学生ら=学内紙デューク・クロニクル提供(c)Zachary Tracer The Duke Chronicle

 【ダーラム(米ノースカロライナ州)=山本秀也】米南部の名門デューク大学で、チベット問題をめぐる学内対立の回避を呼びかけた中国人女子学生、王千源さん(20)が、学内の留学生を含む中国人社会から脅迫や嫌がらせを受けている。北京五輪の聖火リレーとともに世界で注目を浴びた“赤い愛国主義”は、なぜ同胞を標的に暴走したのか。現場から報告する。

 学内の寄宿舎で王さんが開いたパソコンには、数え切れない脅迫や嫌がらせのメールが記録されていた。「グリーンカード(米永住権)が欲しくてここまで落ちたか」「民族敗類」(民族の面汚し)といった王さんへの罵倒(ばとう)は、掲示板への書き込みを加えれば、サイバー空間にあふれている。個人情報がネット上で暴露されたほか、中国・青島の実家も、赤ペンキで「殺売国賊」(売国奴を殺せ)と書き付けられたという。

 学内集会での王さんへの罵声の嵐、現代版“壁新聞”でもあるメールや掲示板での書き込み、家族も巻き込む攻撃ぶり−。これら一連のパターンは、王さん擁護派が「文革式の能なし愛国主義」と表現するように、紅衛兵が荒れ狂った文化大革命(1966〜76年)を多くの人に想起させた。

このニュースの写真

4月9日、米ノースカロライナ州のデューク大学構内で、王千源さん(手前後ろ姿)を囲み、ののしる中国人学生ら=学内紙デューク・クロニクル提供(c)Zachary Tracer The Duke Chronicle
王千源さん
PR
PR
イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。