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  • ― 鈴木会長と細川新社長の出会いは、どんなきっかけからでしょうか。
  • 細川 2002年11月、私がKOBE証券の証券マンだった時代ですね。その頃KOBE証券のIPO第一号企業を担当しておりまして、その企業の第二位の株主だったのが㈱ベルテクノ社(鈴木会長)でした。その後、2003年の秋頃からエンジェルだった鈴木会長と担当者としての私という立場でご一緒させていただく機会が増えていきました。
  • 鈴木 細川新社長は矢継ぎ早に投資案件を成功させていてね、案件とそれに合致する投資家を見る目をはじめとする彼の優れた能力に気づいたわけです。
  • 細川 そのとき私は会長の会社を見る目というものに改めて気づかされましたね。北米マーケットでも有名な投資家でしたから。実際、シアトルのキャニオンクリークという会社は会長が投資をしてから、その当時既に5年で3倍の売上げ、5倍の利益を上げる様になっていましたし。約10年たった現在では売上げで10倍、利益では30倍にまでなっています。

  • ― そんなお二人ですが、ステラの会社経営に参画されようと決意した動機はどういったことからでしょうか。
  • 細川 私がKOBE証券時代に、ステラの子会社の株式上場後の株主づくりをするという側面で企業部の副部長であったことがきっかけです。その後、私はKOBE証券を辞めてHSBCに入社したのですが、ライブドアショックや構造偽装問題など新興市場を含めてマーケット全体が下火になっていく中で、子会社各社より同社の立て直しについて度々相談をうけておりました。話を突き詰めていくとステラ・グループの存在というか、状態が本質的な問題点だと感じました。そこで、子会社経由でこれまでの経験からステラを立て直すために社長として来てくれないかと依頼されたのですが、実際はこの時点で決心はつきませんでした。しかし、信頼する鈴木会長に相談したところ、これはやってみるべきだ、私も応援するとおっしゃっていただき、会長の支えを得たことで、HSBCを辞めてステラの経営を行うことを決意しました。
  • 鈴木 今のところ市場価値は低いけれど、企業価値が毀損した原因は私にとって許容範囲内のリスクであって、潜在的な復活の可能性は秘めていると考えました。そこに細川新社長の有能なバイタリティーをもってすれば必ずや再生するだろう、彼だからこそ私も参画しよう、応援しようと。彼にとってもこれはチャンスだと思いましたからね。

  • ― 再生の見込みがあると思われた根拠はどういったことからでしょうか。
  • 鈴木 まず現在の日本のマーケット状況において東証一部上場企業でさえPBR 1倍割れが全体の6割存在しています。ステラは、主にレピュテーショナル・リスクが理由でPBR 0. 5倍以下です。何を言いたいかというと、財務的なリスクが基本的に小さいということです。また、ほとんどの資産が固定資産ではなく流動資産であるという点。レピュテーショナル・リスクについては、筆頭株主が誰なのか明確にすることと、経営陣を変えることで 大部分は払拭できると考えています。これまではどうしてもサラリーマン社長といいますか、経営に責任が伴っていなかったように見えてしまいますね。また、何をやろうとしているのか、掲げているコンセプトの割に不明瞭だったことも問題でしたね。経営者が安定基盤を得ていなかったから当然といえば当然かもしれませんが・・・。
  • 細川 いきなり優秀な企業にすることは難しいですが、現在は大阪証券取引所の猶予期間入り銘柄という、中学校の定期テストに例えるならいわゆる「赤点」ですからね。これを及第点が出るところまでにもっていく。イメージとしてはPBRでせめて1倍、これを成長のきっかけにして、現在支えていただいている個人投資家の皆様には近い将来を期待してもっと買ってもらえるような企業にしていきたいですね。そのためにも、現在に至るまでの問題分析をした上で将来設計をする事が第一ステップだと考えておりますし、実際取り組んでいるところでもあります。

  • ― 鈴木会長のこれまでの経歴をご紹介いただけますか。
  • 細川 鈴木会長は18歳のとき鈴木製作所(現 ㈱ベルテクノ)という小さな町工場の取締役に就任(在学中)し、お父上の急逝により24歳の時から代表取締役社長を務め、その後90年代には同社をジャスダックに公開させるまでに成長させました。また、中国やアメリカの企業をM&Aするなど同社の発展のために大きな実績を残されました。何年も前からそういった経営手腕を発揮して会社を大きくされてきました。それも日本企業でM&A が一般的になるずっと前から。
  • 鈴木 そうですね。そういった経験からこの会社(ステラ)のこの状態であれば立て直すことが可能だと思いましたね。実は一昨年に経営から一旦退きまして、妻と放浪の旅にでも出かけようかなどと考えていたのですが、課題の多い会社の立て直しに残りの人生をかけてみたいと思ったわけです。
  • 細川 40年ものグローバルな経営経験を有する会長がステラは必ず立て直せると判断されたことは何よりもの確信につながり、今回決断に至ったわけですし、今なお随分と励みになっております。
    鈴木 相談をうけたのは日本株式の株価暴落の真只中でしたが、上場企業を3つも抱えるグループの企業再生というのは大きな魅力であり、彼にとってもこの若さで男冥利につきるだろうと思いましたしね。
  • 細川 私自身、HSBCで世界一というブランドに囲まれながら、ゆっくりキャリアを磨くプランも考えてはいたのですが、これだけすごい経営者と机を並べて、今まで築き上げた自分の経験が活かせる、通用するかどうか試すことができるということには男のロマンを強烈に感じました。

  • ― 細川新社長のモットーとされていることは、どんなことでしょうか。
  • 細川 座右の銘というのは特にないですが、「日本橋 うさぎや」という和菓子屋の店舗に表記されている言葉は実に胸に響くものがありますね。「力足らずですが しかし少しでもお役に立たせて頂こうと まっ正直に努力して居りますので」というくだりが特に好きです。
  • ― 社長挨拶の「真面目」で「正直」な経営にも通じますね。
  • 細川 そうですね。私はこれまでも「口先だけでものを言わない」、「できなかったときは悪いことから報告する」、「マイナスになったときに逃げない・ごまかさない」、「ノウハウや小手先の技術よりも真面目にコツコツとやることが一番だ」と、思って生きてきました。そういったことがこれまでの人脈の構築にも表れていると思います。また、人脈ということでいうと、相手の気持ちや求めることを大切に考えながら対応するということを実践してきましたし、相手あっての自分とい うことは常に意識しているところであります。「真面目」で「正直」を継続していくことで生まれる効用というのは、今後のステラの経営の求めるところにもつながる話であり、個人投資家あっての現在のステラという点では通じるところだと思います。
  • ― 鈴木会長からご覧になって細川新社長はどのような人物ですか。
  • 鈴木 もともとKOBE証券というのは上場証券会社の中でも一番小さいところでしたから、そこでブランド力に頼らず、自らがエンジンとなり実績を積み上げてきたことは彼自身の努力の結果、身についた実力以外の何ものでもありません。長い間彼を見ておりますが、他に類のない決断力と行動力がありますね。また、「走りながら考える」タイプですね。とてもスピード感がありますよ。私は40年経営をやっておりますが、彼ほどの仕事の早さというのは見たことがないです。例えば「何かこういうビジネスがあるのだが適当なパートナーを探している」と言われれば、3分後には先方からの了解を得て、ミーティングを設定してしまうといった具合です。

  • ― 鈴木会長から細川新社長には今後どんなことを期待されますか。
  • 鈴木 彼の持っているリレーションを活かすことですね。KOBE証券はもちろんHSBCという世界一の会社で培った実力と北海道から九州、また全世界に広がる人脈というのは非常に価値があります。今後、ステラ・グループがビジネスコンテンツを収集する上で彼のリレーションは大きく貢献すると思います。
  • 細川 ありがとうございます。全世界はかなりオーバーですが、そこに鈴木会長の企業を成長させるノウハウを落としこんで赤字企業から収益を生む企業に変えていきたいですね。
  • 鈴木 新社長には是非、ステラ・グループの経営者として誰が見ても「一人前」だと思われるように早くなってもらいたいものです。彼のリレーションを活かした新たな事業開発や展開にも積極的にチャレンジして欲しいと思っています。
  • 細川 新しい事業策定については現在進めているところです。そう遠くはない将来、きたるべきタイミングで皆様にご報告させていただきます。

  • ― 純粋持株会社として、ステラのあるべき姿はどんなものとお考えでしょうか。
  • 細川 まずは過去の反省点から見直すことです。方法としては本来あるべき経営を行うこと。当たり前のことでしょうが、①「取締役会」が正常に機能すること、さらにグループ企業の経営者を集めた②「経営者会議」を実施することで適正な意志決定が確保できること、そして③「アドバイザリーボード」に利害関係のない有能な経営者や学識経験者をご意見番として招き、社会一般的な通念にものさしを置いて「どうなのか?」を判断し経営 が暴走しない仕組みを作りながら、効果のある投資を実践していくことです。これまで牽制が効かずに実行してしまったM&Aや有価証券投資の失敗による減損等が原因で、企業価値を大きく毀損させてきたことは認めざるを得ません。今後は失敗しないための運営方法(3つのフィルター)を用意し、意思決定の最終責任所在などを明確にしていきます。そういったことで、成長スピードや収益の向上、事業の透明性や健全性を確保していきます。

  • ― これまでのステラと何か違うのか、株主はステラにどんなことが期待できますか。また、後どういった企業にしていきたいかお聞かせください。
  • 細川 まず、筆頭株主、経営者が変わることが大きな違いです。わかりやすくいうとサラリーマン社長からオーナー社長にかわることです。そして、我々の保有スタンスが中長期であることです。現在の個人株主の皆様の中にはエルメ時代からの長期スタンスを持つ方もいらっしゃいますが、残念ながらそのほとんどが短期投資目的で参加した投資家であるのが現実です。もちろん短期的目的、もっというとデイトレーダー等の投資家から積極的な参加をいただく事はとても大切だと思います。出来高は人気のバロメーターでもありますし、流動性の確保は多くの投資家に安心感を与えます。しかし、贅沢を言わせていただけるなら、今後はステラ・グループ株を少しでも長く保有していただき、株主としての夢をもっていただける会社に変えていきたい。そのために「夢」や「ロマン」を感じられる様な中長期的な経営を策定し実行することや適正な機能確保を追求していきます。
  • 鈴木 夢というのはそれぞれの投資家の思うところでありますが、我々としては夢を達成するための仕組み・方法論・人材・パートナーというものを今後築きあげていきます。そのためには向こう1年間ほど時間をかけて事業策定で失敗をしないためにも慎重に取り組んでいきたいと考えております。
  • 細川 具体的な話についてはタイミングをみて各地、例えば5カ所ぐらいの都市で半期に1回スモールミーティングを開くなどして、公開していく予定です。これは機関投資家や金融機関に対してというよりは、個人株主(投資家)に向けたものです。個人株主(投資家)の方々に支えられて我々が存在しているということを誰 よりも私たちが理解しているためであり、そういった個人株主の皆様を大切にしていくという点では過去と違う経営ということで皆さんの目に映るようになるかもしれません。 先ほどもお話しましたが、今支えていただいている個人株主の皆様から今後のステラ・グループに対し、より大きな夢をもって株を長期的に保有していただける会社に変えていきたいと考えております。やはり個人株主(投資家)あってのステラ・グループであり、これまで皆様によって我慢強く支えていただけたおかげで今があるということは揺るがない事実であります。この状況でも今なお期待していただいている方々の気持ちを裏切らない「透明性」と「健全性」と「スピード感」のある企業運営を行っていきたいです。臨時株主総会後の座談会にて、何人かの株主様より貴重なご意見を頂きました、中には、大変厳しい内容の意見もありましたが、心から応援してくださっている姿を目の当たりにした時に、強い勇気を与えられました。その気持ちに是非応えていきたいと思っていますし、さらにその期待以上の成果を上げていきたいと、強く思います。また、一上場企業としては、大阪証券取引所での売買人気を得る事により取引量が活性化され、市場が盛況になるという成果を通じ、日本国経済の発展にも寄与していきたいと考えております。そのためにも「真面目」で「正直」=「真摯」な姿勢でグループ全従業員取り組んでまいる所存であります。
  • (司会:IR担当者 対談後記)
    ― 今回の対談では、新経営陣の素顔とこれからのステラの展望についてクローズアップいたしました。今後も、株主・投資家の皆様、そして関係各社へ向けて、ステラ・グループについてのより深く、また少しでも分かりやすい情報発信に努めて参る所存です。