任期満了に伴う倉敷市長選は27日、投票が行われ、即日開票の結果、新人で元同市収入役の伊東香織氏(41)が現職の古市健三氏(60)、新人で元同市議会議長の秋山正氏(53)を破り、初当選を果たした。県内各党がいずれも自主投票で臨むなど保守三つどもえの激戦を制した伊東氏は41歳11カ月。現職の女性全国市区長で最年少で、中四国初の女性市長となった。投票率は47・13%で、前回(46・49%、04年4月)をやや上回った。(15面に関連記事) 伊東氏は「くらしき力で市政刷新」をキャッチフレーズに、仕事と子育ての両立支援や地元商店街の活性化、都市基盤の計画的整備などを訴えた。昨年11月に出馬表明し、告示前からミニ集会を中心に草の根運動を展開。県議や市議のほか、女性グループや市職員OBなどの支援を広げ、日を追うごとに知名度と政策を全市的に浸透させた。最終盤では一部政党の支援も取り付け、組織力で勝る古市氏を逆転した。 古市氏は、1期4年の実績とともに「ひと、輝くまち倉敷。」を掲げ、30人学級や健全財政の実現、市内各地区の個性と機能の連携などで市政継続を訴えた。昨年6月にいち早く出馬を表明し、県議時代から引き継ぐ後援会を中心に組織固め。連合岡山の推薦も受け前回から約1万5500票伸ばしたが、出身地の児島地区の投票率が伸び悩むなど、支持をまとめ切れなかった。 秋山氏は「すべては市民(みなさま)の為に」をテーマに、倉敷チボリ公園や市立4年制大学の事業見直しなどを訴えた。同市議会議長の職を辞して臨んだが、出馬表明が昨年12月と出遅れ、地盤の旧市街以外で得票を伸ばせなかった。 また、議員の辞職に伴う市議補選(欠員1)も併せて行われ、民主新人の藤原薫子氏(33)が初当選した。投票率は46・32%で、無効が1万2363票あった。 当日有権者数は、37万3435人(男17万9896人、女19万3539人)。