津山市で今春実施を目指していたスーパーなどのレジ袋有料化が頓挫した。ごみ減量推進組織に加盟する事業者の足並みがそろうことがスタートの条件だったが、客離れを恐れてか、ためらう業者もいて見送られた。
袋一枚五円程度になるとみられていた。主婦感覚でみて高いか妥当かは分からないが、有料化に対する店側の恐怖心はよく分かった。業者からではないが、議論の過程で「買い物袋を忘れて“罰金”を払うことを行政が推進するのか」との声も出たという。物にはさまざまな見方がある。
自身はもう一年以上、マイバッグ(または使い古しのレジ袋)を持参している。支払いの際、「バッグありがとうございます」と声を掛けてくれる店員もいれば、買い物かごの中にマイバッグがあってもレジ袋をくれる人も。従業員の啓発度合いもまちまちなようだ。
でも、エラそうには言えない。ごみ出しが面倒でレジ袋をためたくないのが本音のものぐさなマイバッグ派だからだ。
県が昨年八月、約三千五百人を対象に実施した調査では、レジ袋有料化に「賛成」「仕方ない」は合わせて89%。「反対」は10%だった。しかし、実際にマイバッグを使っている人は「いつも」「時々」を合わせて52%に減る。いざ有料と無料の店に分かれたとき、消費者がどう行動するかは読めず「他社と同時実施でなければ、有料化で売り上げが落ちる」という心配も分かる。とはいえ、環境保護へ向け、できることから―の小さな一歩を何とか踏み出せないものなのか。
(津山支社・道広淳)