県公営企業管理局県立病院課は28日、07年度下半期に判明した県立病院の医療事故2件を発表した。いずれも命に別条はなく、病院側は謝罪のうえ示談成立や本人の了解を得たという。共に担当医は口頭訓告を受けた。
県立新居浜病院では07年11月、担当医がB型肝炎ウイルス検査結果判定保留の記載を見落として、輸血用血液のために親族ら5人への採血を指示。採血したうち1人が感染していたため、腹部大動脈瘤手術後の70歳代の男性患者に対し、ウイルス感染の血液を輸血し感染させた。感染発覚後直ちに発症を抑える薬剤を投与し、現在まで発症していないという。県立今治病院では06年10月、急性心筋梗塞(こうそく)手術後の60歳代の男性に対し、右足付け根に血腫(しゅ)が生じた際に血液の凝固を防ぐ薬剤の投与を中止して様子をみるべきところを投与を続けたため、右足にまひを生じさせた。【土本匡孝】
毎日新聞 2008年4月29日 地方版