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百日ぜき流行中 大人が全体の4割

2008年04月30日

 しつこいせきが続く百日ぜきの患者の報告数が、今年に入ってから4月20日までに1246人にのぼり、現行の規模の調査体制が整った00年以降で最も多いことが、国立感染症研究所の集計で分かった。特に大人の患者は増える傾向で、全体の4割近くを占めている。

 全国3千カ所の小児科から報告された。この時期では00年の961人が最多だったが、はるかに上回る勢い。乳幼児からの報告は年々減ってきたが、大人は増加傾向にある。今年も内科併設の小児科などから成人患者の報告があり、20歳以上が全体の38%を占めた。15〜19歳が4%、10〜14歳が14%。都道府県別では、千葉が最多で、福岡、大阪、広島の順で多い。

 感染研感染症情報センターの安井良則主任研究官によると、乳幼児期に無料でワクチン接種を受けられるが、年月を重ねると効き目が落ち、感染するとみられる。欧米でも大人の感染が問題になり、思春期での再接種が進められている。

 大人の場合、せきは長引くが症状は比較的軽いため、気づきにくい。感染研は「2週間以上、せきが続くようなら、感染を疑って受診して欲しい」と呼びかけている。

 百日ぜきは、せきやくしゃみで感染。7〜10日程度の潜伏期を経て、風邪様の症状から次第にせきの回数が増えて激しくなる。乳児期の早期ではせきがなく、無呼吸やけいれんを起こすこともある。抗菌剤による早期治療で症状が軽減できるという。

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