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【社説】暴力沙汰に発展した聖火リレー(下)

 中国人の常識レベルもさることながら、果たして韓国や韓国人が彼らにどのように見られたがゆえに、白昼堂々とこのような暴力を被ったのだろうか。韓国の歴代政権は政治的な理由で、中国に対し言うべきことも十分に言えなかった。また「知識人」と言われる人たちも、左派、右派を問わず、中国のすることは黙って見過ごした方が無難だ、という対応をしてきた。こうした過去が、今日の中国人たちの無礼で傲慢な態度を生んだのではないだろうか。

 国際関係ほど「原則」と「前例」が重要な分野はない。例えそのときは困難であっても、「原則」を守り通すという「前例」を作っておけば、あとはその前例を踏襲していけるのだ。オランダのような小さな国は、どんな状況に陥っても「国際法の原則」を守るという「前例」を着実に積み重ねることで、大国であってもぞんざいな対応はできない国をつくってきた。言い換えれば、自ら原則を守り、前例を積み重ねることで、国の格、すなわち「国格」を高めてきたといえる。

 今回の事態は、駐韓中国大使を呼んで「遺憾の意」を伝える程度で済まされるものではない。ソウルの都心で何時間も暴力沙汰が続いたにもかかわらず、警察が中国人の暴徒を一人しか逮捕できなかったという事実は、韓国政府がどれだけ生ぬるい対応を取ったかということを示すものだ。徹底的な捜査を行い、暴力沙汰を起こした中国人たちを厳重に処罰すべきだ。

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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