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聖火リレー暴行、韓国で中国批判が過熱 大統領訪中直前

2008年04月29日23時29分

 【ソウル=箱田哲也】北京五輪の聖火リレーがソウルであった際、中国人が暴力行為を働いたとされる事件で、脱北者の支援団体などが29日、ソウルの中国大使館前で集会を開き、寧賦魁・駐韓大使の謝罪を求めた。韓国のテレビ局はニュース番組などで暴行シーンを繰り返し放送。インターネットの掲示板などでは中国批判が過熱している。

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29日、支援団体メンバーは、中国人が投げたこの工具があたって重傷者が出たことを明らかにした=東亜日報提供

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29日、ソウルの中国大使館前であった集会で、聖火リレーの際、中国人が投げ入れたというペットボトルなどを示す支援団体=東亜日報提供

 韓国側の反発は当面続きそうで、来月にも予想される李明博(イ・ミョンバク)大統領の訪中への影響を懸念する声が出始めている。

 中国大使館前では、ある支援団体の代表が、中国人から投げ込まれた工具で肋骨(ろっこつ)が折れたことを明らかにし、診断書や工具を見せながら「合法的なデモをしているのに、なぜこんなものが投げられるのか。大韓民国そのものに加えられた暴行だ」と訴えた。

 支援団体などは、北朝鮮から逃げ出した脱北者を中国当局が強制送還しているなどとして、27日にあった聖火リレーの際、中国の人権意識の改善を訴えていた。

 韓国メディアからは、政府は中国側に、もっと強い抗議をすべきだとの論調も出始めている。韓国外交通商省は28日、寧大使を呼んで抗議したが、報道官の定例会見では連日、追加措置についての質問が集中。李大統領の初の中国訪問などを協議するため訪中している外交通商省の李容濬(イ・ヨンジュン)次官補が、改めて中国政府に遺憾の意を伝えるという。

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