イライラ聖火登頂待ち エベレスト登山、警備で足止め2008年04月28日21時28分 北京五輪の聖火リレーの余波で、世界最高峰が厳戒態勢となっている。5月に聖火のエベレスト(8848メートル)登頂が予定され、妨害活動を恐れる中国が規制を強化した。聖火の種火が27日、標高5200メートルのチベット側ベースキャンプ(BC)に到着し、各国登山隊は聖火が登頂して規制が緩やかになるのを待ち望んでいる。 
 エベレストの登頂シーズンは、天候が安定する5月とされている。五輪聖火登頂の日程は「5月の好天の日」とだけ公表されており、分割した種火をBCに運び、登頂を狙っている。 例年、チベット側、ネパール側の二つのルートから登山隊が挑むが、中国は今春、聖火登頂のためにチベット側で聖火以外の登山隊を閉め出した。その直後に騒乱でチベットには入れなくなり、ネパール側には例年より10隊近く多い約40隊が集結。ネパールは中国の要請を受け、「ネパールと中国の関係を害する旗や横断幕の持ち込み禁止」「デジタルカメラやビデオ、衛星電話の使用を制限」などを登山規制に盛り込んだ。入山路にチェックポイントを設け、各隊の荷物検査を強化。BCにはネパール軍兵士、警官が常駐して登山隊を監視している。 さらに、5月10日まで第2キャンプ(C2、6500メートル)から上部の登山活動を禁止。C2に武装兵士を配置し、発砲も辞さない構えだ。 23日のAP電は、BCにチベット問題を訴える横断幕を持ち込んだ米国人登山家が拘束されたと伝えた。同峰の最高齢登頂記録更新を目指している三浦雄一郎さん(75)の次男で登山隊メンバー、豪太さん(38)によると、27日、中国の要請で「5月1日、2日はC2の宿泊が禁止」になったという。 登山家の野口健さん(34)は20日にBCで清掃活動をした。軍の関係者から特別に撮影を許可されたが、野口さんは「私にはどうしてもこの聖地に対し中国の傲慢(ごうまん)さが招いた異常事態に納得ができない」と、自身のブログで疑問を投げかけている。(近藤幸夫) PR情報この記事の関連情報国際
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