オーストリア・アムシュテッテン(CNN) オーストリア警察当局は27日、ウィーン西方150キロのアムシュテッテンに住む73歳の男が、娘を地下室に24年間監禁し、少なくとも子ども6人を産ませた疑いがあると発表した。オーストリア通信が伝えた。
現在42歳の娘は、18歳当時の1984年から行方不明とされてきたが、父娘の間に生まれた19歳女性が意識不明で病院に収容されたことを契機に、監禁が判明。男は当初、19歳女性の祖父を自称していたが、DNA鑑定で実父であることが明るみになり、警察が捜査に乗り出した。
6人の子どもたちは5─19歳で、うち3人は実母である男の娘とともに監禁されていた。警察はDNA鑑定で血縁関係を確認したうえで、男を「家族に対する重大な犯罪」で逮捕する予定。男は今のところ、警察に何も供述していない。
警察が27日に家宅捜索したところ、地下室には暗証番号を入力しなければ入れない複数の隠し部屋があり、ここが娘や子どもたちの監禁場所になっていた。部屋には男が作った就寝場所や台所、洗面所があった。近隣住民は、男が家族に対してこうした異常行動をしていたことに衝撃を受けている。
警察は26日、事情聴取のため、男と娘を病院付近で拘束。警察が男の接触を断つと娘に保障したことから、娘は監禁生活の全てを供述した。
男は妻とともに自宅上階に住んでいたが、妻は男の行動について何も知らず、男と娘の間に生まれた子どものうち3人を養子として育てていた。男はこの3人を、行方不明の娘が置き去りにした子どもたちだと説明していた。
娘は11歳当時から、父親である男から性的虐待を受けていた。失踪届けが出される数週間前の1984年8月8日、男は娘を地下室に連れ込み、手錠をかけたうえで監禁。その後は日常的に男から性的に暴行され、7人の子どもを産まされた。うち1人の子どもは生後数日後に死亡し、遺体は男が焼いたという。