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【三重】夜間診療始まり市民に安心提供 鳥羽市、週3日開設2008年4月29日
鳥羽市は4月から週3回、夜間の応急診療サービスを始めている。総合病院がない同市。市内で開業していても住居は別の町という医師も少なくなく、これまで夜間は実質“無医村”状態だっただけに、期待は大きい。 同市大明東町の市保健福祉センター「ひだまり」に併設された応急診療所に夜間、旅館の従業員が宿泊客を連れて飛び込んできた。気分が悪くなったと客から申し出があり、開設したばかりの夜間診療所を訪ねたという。軽い胃炎で、薬を処方され旅館へ戻った。 旅先で、つい飲みすぎたり食べ過ぎたり。観光地ならでは、こうして気分を悪くする宿泊客は少なくない。しかし、夜間、こうした患者を診る病院、診療所はほとんどなく、客に翌日まで我慢してもらったり、どうしてもひどいときは隣の伊勢市などの救急病院まで運んでいたりした。市民も同様で、ある母親は「夜間に子どもが発熱した場合、救急病院へ行くしか方法がなかった」と話す。 一方で昨今、夜間に救急病院を利用する軽症患者が全国的に急増、勤務医の疲弊が全国的な社会問題になっている。入院を必要としない軽症患者は、かかりつけの病院や休日・夜間応急病院で診てもらうことをすすめているが、なかなか浸透しないのが現状。 伊勢市の山田赤十字病院の調査では、昨年、夜間に同院を訪れた患者の9割は、地域のかかりつけ医で対応できる軽症な人たちだった。このため、同病院では「より病院と診療所の機能分担を進める」ため、医師が緊急には当たらない軽症と判断した場合に、医療費のほかに算定できる保険外併用療養費を1月から5250円に値上げしている。 こうした救急医療の現状などをふまえ、「休日だけでなく、夜間診療所を設けないと、市民らが不利益を被りかねない」(近藤弘・近藤内科医院長)と、市内開業医でつくる志摩医師会鳥羽医師団と市が立ち上げた。 開設日は「観光客への対応も考え」(山本政信・市健康福祉課長)毎週木・金・土曜日の午後7時半から同10時まで。開設以来、利用頻度はまだ1日平均1、2件と低いが、山本課長は「周知徹底し、より市民に安心のサービスを提供するとともに、地域医療体制の安定を図っていきたい」と話した。 (遠藤健司)
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