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4月21日のながさきニュース
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長崎新聞
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対馬で韓国資本の投資ブーム 交錯する歓迎と懸念の声
 | | 緑色の外壁がオレンジ色に塗り替えられ改装が進むアパート=対馬市厳原町西里 |
国境の島・対馬で近年、韓国資本の投資ブームが起きている。韓国人が競売物件を購入し、島民と現地法人を設立して改装したり、自衛隊基地に隣接する土地でリゾート施設の建設も進む。経済効果を歓迎する一方、土地の買収を不安視したり、国防を憂える声もある。島民感情は今、日韓のはざまで複雑に交錯している。
韓国・釜山市で貿易会社を経営する男性(60)は昨年十二月、長崎地裁厳原支部の競売で、厳原町西里の高台にあるアパートを五百五十万円で落札。外壁は、周囲の山に調和した緑色から派手なオレンジ色に塗り直された。
入札代理人を引き受けた市内の男性を社長に据え、自らも役員となり、不動産業や観光業を目的とした会社を設立。ウイークリーマンションとして今月オープンさせる予定で、韓国から予約が次々に舞い込んでいるという。
投資額は約三千万円。改装には地元業者を雇った。社長に就任した男性は「経済が低迷する対馬は雇用不足。本土から投資は期待できず、韓国資本に頼らざるを得ない」と窮状を語る。
対馬中部の浅茅湾に面する美津島町竹敷。昨年七月、真珠養殖場跡地が韓国資本に買収された。土地や建物は五千五百万円、総投資額は二億円以上になるという。釜山市内の男性二人が役員となり、対馬市内の水産業の男性を社長として会社を設立。リゾート風の宿泊施設の建設が進む。
「客室は十五部屋、定員は三十人程度。従業員寮も備え、将来は水産養殖業をメーンとして韓国に魚を輸出したい」。地元から十人採用して近くオープンする予定。カラオケやバーベキュー施設も整備したいとしている。
ただ隣接地には海上自衛隊対馬防備隊本部があり、周辺には地元住民と韓国人が共同経営する民宿二軒もある。一部の市民や市議、自衛隊OBは「国防の要である自衛隊基地の近くに外国人が多数訪れるのは不安」と指摘。今後のトラブルを懸念する住民もいる。
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