人権協会主催 東京で年金セミナー |
「年金は権利。もらえて当然」 在日本朝鮮人東京人権協会主催の「同胞の年金問題まるわかりセミナー〜あきらめるな年金、とりもどせ私の年金」が19日、朝鮮商工会館で行われた。同胞、日本市民ら約100人が参加した(写真)。 セミナーでは、鄭明愛さん(在日外国人「障害者」の年金訴訟を支える会、在日韓国・朝鮮人高齢者の年金裁判を支える会)と、富田麻美さん(東京都港区役所職員)がそれぞれ報告を行った。 「同胞高齢者・障がい者無年金問題とは?」と題し報告を行った鄭さんは、「国民年金法」(1959年制定)は国籍条項を設け外国人を制度から排除し、82年の国籍条項撤廃後も経過措置を取らなかったと指摘した。 また、86年の「国民年金法」改正時に、日本政府は国籍条項のため加入できなかった期間も含める「合算対象カラ期間」を導入したが、これは受給資格を満たす助けになっても年金額の計算には反映されないと強調。「期間は満たせても金額は満たされなかった」と指摘した。 86年4月1日の段階で60歳に達していた在日外国人の高齢者と、82年1月1日の時点で成人だった外国籍の障がい者は現在も無年金のまま放置されている。 鄭さんは、「税金を納めている以上、年金はもらえて当たり前。その当然の権利を与えられないのはおかしい」と年金制度の在り様を批判しながら、現在審理中の大阪、福岡などでの「無年金裁判」の状況についてふれ、支援と協力を呼びかけた。 富田麻美さんは「年金探し−在日ならではのチェックポイント」と題し報告。「04年の社会保険庁の調査によると、65歳以上の2.5%が無年金者だが、とりわけ在日コリアンの受給率はもっと低い」と指摘した。 さらに、社会保険事務所での年金調査が「カナ氏名と生年月日」を基本に検索していることに言及し、「在日コリアンは本名や日本名、通称名を併用している場合があるが、氏名や氏名の呼び方が違うだけで年金の記録が見つからないことがある」と指摘。学歴、職歴、婚姻や同棲歴を記した「経歴書」作成や、信頼できる年金相談の相手を見つけることが大切だと強調した。(尹蒼賢記者) [朝鮮新報 2008.4.28] |