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【政論探求】聖火リレーに見る「国家像」 (2/2ページ)
「スポーツと政治は別」などというのは建前だけの空論であって、国威発揚が最大の狙いであることはいまさら言うまでもない。五輪はスポーツを使った国際政治のぶつかり合いの場である。
それにしても、長野にも中国人留学生3000〜4000人が集結したのは、中国当局の指示もさることながら、「愛国心」をめぐる彼我の違いを突きつけた。
仮に、まったく逆の状況が起きて、日本が国際社会から非難されているような場合、日本人留学生が日の丸を持ち大挙して集まるだろうか。だいたいが、そうしたケースで、日本政府が「理性的愛国心」の発動を留学生たちに訴えることに踏み切るとは思えない。
「自由と民主主義」の日本には、そういう発想そのものがない。その「健全度」を評価すべきか、それとも、愛国心の基本的欠落を嘆くべきか。
聖火リレーは、「国家」とはどういうものかを考えさせる機会を与えてくれたようにも思える。
(客員編集委員 花岡信昭=ご意見などは次のブログへどうぞ)http://hanasan.iza.ne.jp/blog/