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【政論探求】聖火リレーに見る「国家像」 (1/2ページ)
26〜28日、長野、ソウル、平壌で北京五輪の聖火リレーが行われた。比較してみると、なるほど国柄の違いはあるものだ。
ソウルではあちこちで激しい衝突が起き、報道陣に負傷者も出た。中国人留学生1万人以上が押しかけたという。
長野と同様、警察当局の完全護衛のもとで行われたが、負傷者4人、逮捕者6人の長野のほうが平穏だったような印象を受ける。日本の警察当局はこの種の警備能力が高いということか。
韓国では脱北者強制送還に対する反中感情が強いという。それが日本とはやや違うところで、長野よりも激しい抗議活動となったのは、激しやすいといわれる国民性とそうした事情のためか。
だが、なんといっても数十万人の「市民」が沿道を埋めて大歓迎した平壌の異様さは格別だ。当局が強制的に駆り出したのは当然だろうが、北朝鮮特有の「一糸乱れぬ」光景はそら恐ろしさを覚える。
言論、表現の自由などまったくない全体主義国家の聖火リレーとはこういうものか。もっとも、聖火リレーは1936年のベルリン五輪でヒトラーが始めたのだから、同種の国家では得意芸なのではあろう。