キャリアな女のためのアメリカ大学院留学ガイド 14




渡航の準備 4

 

町の語学学校で英会話♪

 

渡航前はあれやこれやの準備で時間がとられる。だがこの間にも募るのは英語への不安だろう。TOEFLやGREでこれまでだいぶ英語漬けになったような気にはなっているが、実は会話の実力はほとんど変わっていない自分に気がついたりするのもこの時期だ。渡航の準備には待ち時間も多く、忙しいように見えて一日の半分くらいは空いている。この時間を利用して気楽に会話のお稽古というのは悪くない発想だ。

 

町には商業ベースの英会話学校がやまほどある。私が選んだのは、ベルリッツとNOV☆だった。なぜ2つも選んだかというと価格とクオリティーのベストミックスを実現するため。英会話学校のクオリティーは、学校によって天と地ほどの違いがある。個人的な評価で恐縮だが、ベルリッツは、クオリティーは悪くないが、あまりに値段が高く、NOV☆はクオリティーは最低だが安かった。

 

たまたま私が行ったときそうであっただけかもしれないが、NOV☆の講師は屑外人の寄集めだった。ただ英語を話せさえすれば(そしてちょっと若くて見た目が不快でなければ)誰でもいいという勢いで集めてきたように見える。食い詰めた外人を大量に網ですくってきて、適当に講師にしましたという感じ。しかも、英国やNZ、オーストラリアあたり人が多く、米国留学派には訛りがうつりそうでちょっと引くものがある。これらの国からの人が多い理由は簡単。国内の経済が悪いので人件費を安く抑えてもホイホイついてくるからだ。彼らは、ただ英語が話せるだけの人物で、ほとんどの場合英語教育の専門家ではない。頭が悪い奴も多く、話していると腹が立つこともあるが、会話は量も重要な要素なので使い道はゼロではない。実は私は、NOV☆が屑外人の寄せ集めだということを、じゅうじゅう承知の上でこのスクールを選択した。理由は安いから。吉野家の牛丼と同じだ。その値段にしてみれば価値がある。(ちなみに日本の大学の英語の講師も、非常勤の場合NOV☆と似たり寄ったりだったりすることもある。安くお願いしているので仕方がないが玉石混合だ)。

 

一方ベルリッツの講師には馬鹿もいたがそうでない人もいた。お気に入りの先生は、なかなかの人物でいまでも忘れがたい。だけど高かった。今はどうだか知らないが、プライベートレッスン、45分で1万2千円。2コマが一単位なので、一日(たった)90分のレッスンで2万4千円だった。週五日で12万円であり、これは笑えない出費だ−この話はその後出会った米国人の誰に話してもたいそう驚かれ、彼らに「いよいよ食い詰めたら日本で英語を教えりゃいいんだ」という安心感を与え続けた。そしてこの話をしたほぼ全員から「僕なら90分で100ドルに負けておくよ」というオファーを受けた。

 

毎日NOV☆に通い、週3回ベルリッツ。これが私の選択だった。ちなみに英会話学校では半年分とか一年分とか長期の授業料を先払いすることが求められたりするものだが、「留学が決まっている」と話すと短期でも受け付けてくれる。

 

 

 

 

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