キャリアな女のためのアメリカ大学院留学ガイド 10




大学の選び方 

 

書類がそろったらいよいよお目当ての大学への書類送付である。選考の時期は大学によって大きく異なっており、一般的にいうと有名校ほど審査の締め切りが早い。おおよその目安は、渡航する前年の年末である。だから前年の夏くらいまでには、相手先の大学と連絡をとって必要書類をとりよせておくことが必要だ。ところで受験する大学はどうやって選んだらいいだろうか。

教科書的な正解をいえば、大学院レベルでの大学の選定は、指導教授でするというのが理想である。つまり、自分が師事したいと考える先生に直接連絡をとり、その先生のおられる大学に入学する。将来研究者になりたいと考えるならこの方法がスタンダードである。だが、これはキャリアな女にはなかなかに難しいかもしれない。指導教官を自分で選ぶには、その世界のことをある程度しらなければならない。学会誌なんかもたまには読んでいることが必要である。だがキャリアな女は大概素人である。自分の卒業した専門分野のことでも、自分が思っている以上に忘れている。また、分野を変えての留学の場合、検討もつかなかったりする。研究する暇もない。

そんな状態での「留学」なんて、ずうずうしいようでもあるが、アメリカは懐の深い国なので、やる気さえあれば、チャンスはくれる。渡航してから死にものぐるいで勉強すれば・・・まあ、なんとかなるかもしれない。で、死に物狂いになる場所だが・・・・まず、自分にあいそうなプログラムがあること、これは最低必要な条件だろう。あとは、好きな場所や雰囲気できめてもよい。2年、3年を過ごすのだから、都会か地方か、北か南か、暑いか寒いかは意外に重要だ。北部は、日本では考えられないくらい寒く、それ以上に寂しいのは冬場の日照時間が余りに短いことだ。これで鬱になってしまう人もいるので要注意。また東海岸にはよい大学が沢山あるが、日本から遠いので往復に金がかかる、なんていうのも人によっては考慮すべきことがらかもしれない。物価は州や都市によってずいぶんと異なり、ハワイやサンフランシスコは高く、オハイオあたりならかなり安い。あとは、日本に帰ってくるつもりなら、その大学の日本での評判というのも、ひとつの検討材料かもしれない。MBAの場合なら特に、良く知られていない大学より、アイビーリーグのほうが後でなにかと有利だろう。

実は大学の教員でも、Sabbaticalを利用して海外の大学院の客員教授をするときには「大学名」は気になるものだ。ここだけの話だが「客員教授」というのは実は形だけのことなので「ハーバード大学客員教授を歴任」なんて肩書きにはほとんど意味はない。このことは、仲間内なら誰でも知っていることだが、事情を知らない外部の人のなかには 「ほ〜〜〜〜〜〜〜〜」と感心してれる人がいたりするので、そういうのを気にする人は有名大学を選んだりしてしまうのである。

 


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