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大阪のD級アンプ・キットDAMP-3120(2/2)

 共立エレショップ(デジット)のD級アンプDAMP-3120レポート第2回目は、製作と波形観察です。

 商品説明書は、次のリンクから。
 20WステレオD級パワーアンプキット/DAMP-3120

3.実際に作ってみる
 製作の手順は、背の低い順に部品をはんだ付けしていきます。はんだ付けする部品の位置は、基板のシルク印刷のほか、説明書にもわかりやすく書いてあります。

 (1) まず、小型抵抗器はカラーコードや形を見て順番に揃えておきます。そして、基板のシルク印刷にあわせて抵抗器をはんだ付けします。R1とR2は抵抗器に切れ端を使って0Ωの配線をします。

 (2) 次に、タクト・スイッチ2個(色の指定はなし)、LED(極性あり)、2個のジャンパ端子などをはんだ付けします。ジャンパ端子は2個ではなく、なぜか4個ありました。

 (3) コンデンサは小さな青色のセラミック・コンデンサとポリフィルム・コンデンサを、それそれ揃えておきます。これらのコンデンサは、それぞれの基板のシルク印刷の位置にはんだ付けします。

 (4) 2個のインダクタは上部にある目印で方向を合わせてはんだ付けします。

 (5) 大きな金色のミューズ・コンデンサは極性を間違えないようにそれぞれはんだ付けします。

 ここまでで、次のように基板の部品取り付け完了なので、取り付け間違いがないか十分チェックしましょう。

20w08423IMG_0289.jpg

 次に、動作確認の準備として、基板の入力端子と出力端子にケーブルを取り付けます。電源端子は電源アダプタ用にジャックを取り付けます。

4.動作させてみる
 このD級アンプは単電源で使います。そのため出力振幅の中心は電源電圧の1/2電圧で動作しています。この直流成分を除去するために、出力フィルタの後にはコンデンサを付けています。D級アンプICの説明書にはBTL接続してモノラル・アンプとして使うアプリケーション例もあります。

 製作したD級アンプの動作チェックは、まずそれぞれ基板に次のような配線を行います。基板上のジャンパ端子は両方ともオープンにします。

 (1) 出力には、スピーカの代わりに15Ω 2個並列にした7.5Ω抵抗器を接続します。
 (2) 入力に、オーディオ発振器から約1kHz正弦波を加えます。
 (3) 電源は、12V出力のスイッチング電源の出力プラグを差し込んで動作をさせます。


 観測は、オシロスコープを出力端子とグラウンド間に接続します。次のように約1kHzの正弦波波形が観測できます。オシロスコープ波形は、上側が入力波形で100mV/div、下側が出力端子の電圧波形で2V/divです。


20w0823IMG_0293.jpg


 出力フィルタの前の波形は、0Vと電源電圧間を上下するパルス波形(PWM)が、今まで製作したD級アンプと同様に出ています。

5.PicoScope2105での観測
 D級アンプ出力のスペクトラムを観測してみます。スペクトラムは、USB接続のディジタル・オシロスコープPicoScope2105で参考に観測してみました。250kHz付近の盛り上がりはスイッチング周波数の漏れです。


20w08423_001.jpg


 引き続き、このD級アンプDAMP-3120のスピーカ接続の20Wステレオ動作は、ほかの人がレポートします。観測した出力波形からすると、すなおな音が出るような気がします。

 

(参考)
 D級アンプ動作の基本説明はトランジスタ技術誌2008年3月号特集や5月号の165ページにありますので、参照してください。また、秋葉原では7月4日に実験ライブセミナ2008の講演があります。

 

 後田敏

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