【パリ福井聡】仏大手スーパー「カルフール」のデュラン最高経営責任者(CEO)は20日付の仏ジュルナル・デュ・ディマンシュ紙で、中国での不買運動や抗議デモについて「事態を非常に深刻に受け止めている。ただ、現時点で売り上げに重大な影響は出ていない」と述べた。
デュラン氏は、パリの北京五輪聖火リレーで起きた混乱により「大半の中国人は衝撃を受けた」と指摘。北京五輪については「カルフールはずっと支援してきた。五輪により中国は過去20年の変化を世界に示すことができる。(ボイコットで)そのチャンスを奪う理由は見当たらない」と開催に理解を示した。
一方で「チベット問題は複雑で、私は判断を示さない」とし、中国の政治・宗教問題に立ち入らない立場を明確にした。また「カルフールは(チベット仏教最高指導者の)ダライ・ラマ14世を支援している」とする中国側の報道を強く否定した。
毎日新聞 2008年4月21日 東京朝刊