【ワシントン=米山雄介】米通商代表部(USTR)は25日、知的財産権を侵害している国や行為を特定、改善を迫る年次報告書を発表した。中国とロシアの侵害に特に強い懸念を表明。インド、チリなど7カ国とともに「優先監視国」に指定した。二国間協議で改善が進まない場合、世界貿易機関(WTO)に提訴し、紛争処理の対象とする方針も示した。
報告書は知的財産保護を定めた米包括通商法スペシャル301条に基づいて公表。シュワブUSTR代表は声明で「著作権侵害や偽造は創意工夫を盗むばかりか雇用を奪い、米国民の健康や安全を脅かしている」と強調した。
中国とロシアは昨年も「優先監視国」に指定。報告は「政府の取り締まり強化などで、状況に若干の改善がみられる」としたものの、引き続き両国を「特に監視が必要」な国に挙げた。
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