和崎光太郎

所属:京都大学大学院 人間・環境学研究科/日本学術振興会特別研究員(教育学)

専攻:教育史・教育学・近代史

≪研究内容≫

青年期における自己形成の核となる概念が、歴史的にどのように変遷してきたのかについて、人間形成史論の立場からアプローチを試みている。

≪執筆論文≫

「明治末期の青年の意識−「古家実三日記」にみる−」同研究会編『古家実三日記研究』(創刊号・第2号、2001年・2002年)

「日露戦争後における良妻賢母教育の展開−学ぶ者の視点から」同刊行会編『鶴山論叢』(第2号、2002年)

「古家実三と神戸中学−明治末期の一中学生の生活」神戸史学会編『歴史と神戸』(第43巻1号、2004年)

「大正自由教育と「赤化思想」-川井訓導事件とその周辺-」信濃史学会編『信濃』(第59巻第10号、2007年)

「青年期自己形成概念としての<修養>論の誕生」教育史学会編『日本の教育史学』(第50号、2007年)

≪その他≫

藤原昭三・須崎愼一・和崎光太郎・山本かえ子「古家実三日記(1) : 1906年1月1日〜1907年9月13日」『古家実三日記研究』(創刊号、2001年)

藤原昭三・須崎愼一・和崎光太郎・山本かえ子「古家実三日記(2) : 1907年9月14日〜1908年7月10日」『古家実三日記研究』(第2号、2002年)

藤原昭三・須崎愼一・和崎光太郎・山本かえ子「古家実三日記(3) : 1908年7月11日〜1909年7月31日」『古家実三日記研究』(第3号、2003年)

藤原昭三・須崎愼一・和崎光太郎・山本かえ子「古家実三日記(4) : 1909年8月1日〜1910年6月30日」『古家実三日記研究』(第4号、2004年)

≪学会発表など≫

「樋口長市と大正新教育−樋口長市の「自学」論に関する基礎研究−」(第18回教育史フォーラム・京都、2006年9月3日)

「青年期自己形成概念としての<修養>論の誕生」(教育史学会第50回大会2006年9月17日)

「中島力造の<修養>論−社会ダーウィニズムと国民形成のための心理学・倫理学−」(教育史学会第51回大会2007年9月22日)

★★★★★★★

よだか(夜鷹)は、その醜さゆえに仲間からも嫌われ、鷹からは「改名か死か」をせまられる。

また一疋の甲虫が、夜だかののどに、はいりました。そしてまるでよだかの咽喉をひっかいてばたばたしました。よだかはそれを無理にのみこんでしまいましたが、その時、急に胸がどきっとして、夜だかは大声をあげて泣き出しました。泣きながらぐるぐるぐるぐる空をめぐったのです。 (ああ、かぶとむしや、たくさんの羽虫が、毎晩僕に殺される。そしてそのただ一つの僕がこんどは鷹に殺される。それがこんなにつらいのだ。ああ、つらい、つらい。僕はもう虫をたべないで餓えて死のう。いやその前にもう鷹が僕を殺すだろう。いや、その前に、僕は遠くの遠くの空の向うに行ってしまおう。)   宮沢賢治「よだかの星」より

我々が、「型」にはまった「大人」になる過程で、無意識に失ってゆくものは何か…。

最終更新:2008年4月