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公務員制度改革法案 4日に閣議決定
自民、公明両党は3日、国家公務員の幹部人事を一元管理する「内閣人事庁」の創設を盛り込んだ政府の国家公務員制度改革基本法案を了承した。これを受け政府は、4日に法案を閣議決定、同日中に国会に提出する。ただ、官僚の根回しや政治家による口利きの排除を目的とした政治家と公務員の接触制限導入に対する与党内の反対論が収まらず、法案成立後に取りかかる具体的な制度設計に火種を残すことになった。また、民主党は対案を出す構えをみせており、今国会中に法案が成立するかは不透明な情勢だ。
自民党は3日の臨時総務会で、法案の国会提出を了承した。しかし、これに先立つ行政改革推進本部(中馬弘毅本部長)の合同部会では、国会議員と公務員の接触を制限する規定をめぐり「情報が入らず党の力が弱まる」などとする反対意見が相次いだ。結局、法案成立後の作業となる接触ルール策定の際には与党もかかわることで折り合いがついた。
また、法案では、改革のスケジュールについて、政府が3年以内に必要な法整備を行い、5年以内に一連の改革を実現する、と記している。内閣人事庁の具体的な業務などは「内閣人事庁設置法案」で盛りこむが、人事院などの一部が同庁へ移管されることになり、設置法案をめぐる霞が関の抵抗は避けられそうにない。
法案の今国会での成立を危ぶむ声も出ている。ねじれ国会の下、6月15日の会期末までに「参院までいくか微妙」(自民党行革推進本部幹部)という見方がある。民主党は「全体的に踏み込み不足」(中堅)と政府案の問題点を指摘した。
渡辺喜美行政改革担当相は3日、法案を与党が了解したことに関し「百点満点ではないが先に進めないと世紀の大改革が頓挫する」と法案がまとまったことを評価。同時に「民主党が政府案に反対するのは改革に反対ということ」と牽制(けんせい)した。
■国家公務員制度改革基本法案の骨子
・内閣人事庁 現行通り各府省が幹部公務員の人事案を作成し、人事庁は適格性を審査したうえで、必要に応じて人事案を作成
・政官接触制限 各府省に新設する「政務専門官」が政策などを国会議員に説明。それ以外の公務員の接触は規律を設ける
・試験制度 幹部候補として固定される「キャリア制度」は廃止。総合職、一般職、専門職の区分を設け総合職以外の幹部登用も
・労働基本権 国民の理解を得ることが必要不可欠で、それを勘案して検討