飯大蔵の言いたい事

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS 新型インフルエンザ対策

<<   作成日時 : 2008/04/19 22:25   >>

トラックバック 0 / コメント 12

 インフルエンザ対策として水際対策と地域封じ込めが検討されて来たが、事前接種についても検討するそうだ。そのあたりの事情を大臣が説明している。
新型インフルエンザについてでありますが、明日新型インフルエンザ専門家会議が開催されまして、新型インフルエンザ対策について議論することになっております。その基本的な内容、これは明日またきちんと議論をして、専門家の方に決めていただきたいと思いますけれども、3つの点を議論していただきたいと。そして、それできちんと専門家の方々のご意見が決まりましたら、その方向で政策を実行に移したいと思います。

 第1は、プレパンデミックワクチンの備蓄の追加ということであります。今ご承知のように、平成18年に約1,000万人分の原液を備蓄しておりまして、これはベトナム株、インドネシア株です。それで19年度末にウイルス変異が起こった場合のことを考えまして、今度は中国株について、1,000万人分の原液、合計2,000万人分の原液を備蓄しているところですけれども、さらにこの追加備蓄をするかどうかということについて、明日検討していただきます。

 それから2番目がプレパンデミックワクチンを用いた臨床研究の実施ということで、これは製剤化されたワクチンを用いまして、税関、検疫所、入管職員と感染症指定医療機関職員、6,000人を対象に事前接種をして、それに関する有効性、安全性を評価する研究を厚生労働省でやりたいと。そして、有効性、安全性について良好な結果が得られれば、医療従事者等、社会機能維持者、1,000万人への事前接種を検討したい。こうした方針について検討していただく。これは現実に実行に移されれば世界で初めての対応ということになります。

 それから3番目の大きな柱が、パンデミックワクチンの製造体制の期間短縮であります。今は鶏の卵、鶏卵によるワクチン製造を行っておりますが、これは新型インフルエンザが発生してから国民全員分のワクチンを製造するために、約1年半前後の期間を要します。これを半年程度に短縮するために、細胞培養技術の確立を行いたいと思います。これを検討していただくということですので、明日の10時からこの会議によって結論が得られれば、ただちに実行に移したいと思います。これが2点目です。
閣議後記者会見概要(H20.04.15(火)09:46〜10:13 省内会見室)
  備蓄したワクチンの期限が切れる事が関係しているとの観測もある。全体としての対策検討の進捗が遅いとの感想を専門家会議のあと出席者が言っていた。日本の行政の能力が低下していないかが心配なところだ。

 さてパンデミックワクチンとプレパンデミックワクチンという聞きなれない言葉が出てきたが、この意味はこういうものだ。
今回、承認された新型インフルエンザワクチンは、鳥−ヒト感染の患者、および鳥から分離されたウイルス(H5N1亜型)を用いて製造した「プレパンデミックワクチン」である。厳密な意味での新型インフルエンザワクチン(パンデミックワクチン)は、実際にパンデミックが起こり病原ウイルスが特定されてからでないと製造できない。しかも、その製造には少なくとも6カ月が必要となる。そこで、パンデミックが起きてからパンデミックワクチンが供給されるまでの間や、パンデミックワクチンの製造量が十分量に達するまでの間に、基礎的な免疫をつけるために使用するのが、「プレパンデミックワクチン」である。
日経メディカル オンライン
 基礎的な免疫が効果的なのかを今回検証するそうだが、新型インフルエンザが流行しなくても検証できるのだろうか、まずは疑問なところだ。

 次に疑問に思うのが、予防接種の優先順位だ。大臣はこういう。「医療従事者等、社会機能維持者、1,000万人への事前接種を検討したい。」また、予防ではないが治療の順位として
抗インフルエンザウイルス薬による治療の優先順位を、次のとおりとする。
@ 新型インフルエンザ入院患者の治療
A 羅患している医療従事者及び社会機能維持者の治療
B 羅患している医学的にハイリスク群(心疾患を有する者など)の治療
C 児童、高齢者
D 一般の外来患者      等
「新型インフルエンザ対策行動計画」の概要について 平 成17 年11月 厚 生 労 働 省
 ここでも社会機能維持者が優先されている。その中身は「政府の指針では、警察官や電気をはじめとするライフライン関係者、公務員、国会議員などが挙げられているが、優先順位は決まっていない。」東京新聞社説のようだ。

 予防接種法施行令ではインフルエンザの予防接種対象者は
一  六十五歳以上の者
二  六十歳以上六十五歳未満の者であつて、心臓、じん臓若しくは呼吸器の機能又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害を有するものとして厚生労働省令で定めるもの
 となっている。

 新型インフルエンザが世界的な流行(パンデミック)となり、社会が混乱し、死者が多数出る事に対し対策をしなければならない。政府は社会と死者のどちらを優先しているのだろうか?

 私には社会の混乱防止が最優先に見える。老人や子供の死亡防止が、社会の混乱防止の次、いやはるか先にあるような印象を受ける。
 考え方がおかしいのではないか。政府は国民の命より、国の経済の方が大事だと思っているのではないか。この発想が後期高齢者医療制度や消えた年金などを発生させる原因ではないのか。

 インフルエンザは発病前のワクチンと発病後48時間以内のタミフルしか薬は無い。後は対処療法とわが身の抵抗力だけだ。政府が信用できなければ、わが身の抵抗力を高めるか、流行時には山中(鳥のいないところ?)に逃れるしかないだろう。なんとしてでも生き残らなければ・・・と思ったりして。

設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
実際にはプレパンデミックワクチンをまず老人に接種し,死亡率を調べてからの話になりますね.つまり老人は事実上の検体になるわけ.

パンデミックワクチンにしても,ホンネは ES細胞などを使った,大がかりな人体実験をしたいのが根底にある.内幕をばらすと,おおむね以上のようなことになります.(^^;)
kaetzchen
URL
2008/04/20 07:25
それから,私のブログを読んで欲しいのですけど,タミフルの他にもタミフルシロップやリレンザなどの有効な薬剤があります.48時間以内というのはインフルエンザウイルスが大量に人体内で増殖する直前という訳ですから,とにかく高熱が出る前に処方する,というのが正確な表現でしょうね.高熱が出てから処方すると精神異常などの副作用が出ます.そういう意味ではタミフルシロップやリレンザは安全な薬と言えるでしょう.
kaetzchen
URL
2008/04/20 07:28
kaetzchen さん
子供に接種する話は出てますが、老人への接種は話が出ているのですか?
タミフルシロップやリレンザはタミフルと服用方法以外のどこが違うのですか?
飯大蔵
2008/04/21 00:39
ぶっちゃけて言うと「老人は死ね」ということです.つまり生産力=税金にならない人間は生きていても仕方がない,という思想が厚労省にも根強く残っているのです.これは私自身が障害者になってから,さらに強く印象づけられたことでもあります.

タミフルシロップやリレンザは薬価が違います.つまり薬代が安くなるのです.ところが錠剤のタミフルは別名ラミフルと言われるだけあって,今の共和党政権のネオコン連中が製造販売しているものですから,結局アメリカの高価な薬を買わされているようなものです. Microsoft の Windows と同じですよ(笑)
kaetzchen
URL
2008/04/21 11:23
ちなみに,タミフルシロップはメリケン粉のような細かい粉薬で,液体洗剤のような容器に入れて,水または暖かいお湯で溶かして飲ませます.リレンザは一つだけ欠点があって,喘息患者には使えない所があります.なぜかと言うと,リレンザはわざとのどの奥に噴霧して,くしゃみをさせることで気管支に薬を行き渡らせる(気管支が一番吸収されやすいから)という仕組みだからです.だから,病院や医院によってはリレンザを取り扱っていない所もあります.

つまり,注射薬ではなく,どれも口から飲む薬なので,速効性から言うとリレンザが一番だということになるわけです.タミフルやタミフルシロップは一度肝臓を経るため,30分以上経たないと大動脈に入りません.
kaetzchen
URL
2008/04/21 15:54
すみません,目が不自由なので,最後のところの変換ミスに気付きませんでした.「大静脈」が正解ですね.音声入力だと時々,こういうミスが出ます.今はキーボード入力です.「口から飲む薬」も「経口薬」ですね(笑)

# ネットゴキに突っ込まれる前に書いておきます.
kaetzchen
URL
2008/04/21 15:59
kaetzchen さん
いつもの通り会話を避けておられるようですね。
老人への予防接種計画については言及しませんね。
どの薬も同じ薬剤だと言う事ですね。
では。
飯大蔵
2008/04/22 01:01
「会話を避けている」という意味がさっぱり分かりませんけど,ケンカするのが目的でないので,大人の対応をすることにします.(要するに飯大蔵さんはどこに重点をあてて書いているのかが私たちには分からないのです)

老人への予防接種計画は,ワクチンができていれば余りを金持ちだけに接種,ワクチンができていなければ乳幼児だけに接種というのが厚労省の基本的な立場です.これは前にも書いたはずですが…….つまり「老人への予防接種計画」というのは選挙用のアジテーションだとお考えになるのが正確な意味の把握では?

薬は同じ薬剤ではなく,ウイルスが殻を被って患部からうようよと出てくる直前に殻を作らせないのを目的とした薬剤です.誤解されないよう.
kaetzchen
URL
2008/04/22 09:38
kaetzchen さん
会話にならないのは相手の言う事を聞いていないからです。それを説明する事もできますが、時間の無駄ですのでやりません。
 なお、あなたのコメントは事実を曲げている部分があるので、削除したいのですがよろしいですか?
飯大蔵
2008/04/22 22:18
飯大蔵さん,私のコメントのどこが「事実を曲げている」のでしょうか.

とにかくここは500字しか書けないので,多少省略して書いている部分もありますし,私自身,今度は来月の学会向けて忙しい日々を送っています.

だから,一体「何を問題にしたいのか」,すみませんがメールで送って頂けませんか? ここでは議論になりません.kaetzchen@goo.jp
kaetzchen
URL
2008/04/24 15:04
kaetzchen さん
ワクチン接種計画の正確さ
薬剤の種類による効果の差異
この二つです。
飯大蔵
2008/04/24 22:43
音声入力で「大動脈」と「大静脈」を間違わないね 単に無知だっただけではないか 来月の学会? 無職・保護生活で学会といえばそうかですな
kaetzchenへ
2008/04/27 10:51

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文