聖火リレー、ピリピリ警備で笑顔硬く
- 北京五輪の聖火走者を務めるタレントの萩本欽一(共同)
厳重警戒の中で26日、長野市内を駆け抜けた北京五輪の聖火リレー。大勢の警察官に取り囲まれて走った聖火ランナーたちは緊張した面持ちで笑顔は硬い。市民と触れ合う場面もほとんどなく、「悔しかった」とランナーのタレント萩本欽一。物々しい雰囲気のまま終わった。
午後0時半ごろ、雨が降りしきるゴール地点の若里公園。最終ランナーのマラソンの野口みずきが姿を見せ、舞台の聖火台に火をともすと、全国から集まった中国人留学生ら1000人以上が大歓声を上げた。
両手を上げて歓声に応える野口。「聖火を運べて本当にうれしかった」とほっとした表情を浮かべた。
リレーがスタートしたのは午前8時半前。第1走者を務めた北京五輪野球の星野仙一代表監督は「トップランナーで、もう1つ大きなものを背負ったという印象だ」と笑顔だった。
沿道は赤い中国国旗とチベットの旗でぎっしり埋まった。「中国頑張れ!」の歓声と「チベットに自由を」という叫び声が飛び交う中、聖火と沿道を隔てるように約100人の警察官が列をなして走った。
午前8時45分ごろ、萩本が手を振りながらJR長野駅前を通過すると、大きな声援が飛ぶ。だが沿道から発煙筒のようなものが投げ込まれ、一気に緊迫。その後は逮捕者も出た。
走り終えた萩本は「トーチにいろいろな旗の重みがのしかかり、違う重みだった。おばあちゃんや子供とハイタッチをしようと思っていたのに、できなかった」と残念そう。長野市内の介護ヘルパーの女性(70)は「欽ちゃんの顔は全然分からなかった。こんな聖火リレーならしないでほしい」と話していた。
富山県から駆けつけた中国人の男性大学生(30)は「チベットを支援するグループが騒いでいるのは悲しい」。中国のチベット政策に抗議する市民団体の日本人女性(21)は「五輪選手には4年後があっても、迫害を受けているチベット人には将来はない」と涙ながらに訴えた。
[2008年4月26日14時10分]
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