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聖火リレー:地元ランナーの越さん「残ったのは寂しさ」

 そりに乗り、氷のスロープを頭から滑り降りる競技「スケルトン」の国内第一人者、越(こし)和宏さん(43)=長野市=は、地元ランナーとして最も早い6番目に走った。善光寺からJR長野駅へ続く約200メートルの沿道は物々しく、笑顔を見せながらも複雑な思いを胸に「平和の尊さ」をかみしめながらの走りだった。

 長野県王滝村生まれ。10年前の長野冬季五輪で、スケルトンは正式種目ではなく、ボブスレー競技でコースの前走をした。それでも大勢の人が声援を送ってくれたことは鮮明に覚えている。その後、スポンサーを探しながらトレーニングを続け、2回の冬季五輪に出場した。

 冬は海外遠征する。肌や目の色、宗教、政治も関係なく、努力の結晶がぶつかり合う世界。勝負がつけば「同じ釜の飯を食った仲間」としてうち解ける。だが、今回は状況が違う。中国政府によるチベット人権問題の存在だ。「気楽に走ろうと思っていた」リレーは一転した。

 警察官ら約100人に囲まれての走り。戸惑い、憂いが消えない。「スポーツの祭典なのに、残ったのは寂しさです」と語った。【宍戸護】

毎日新聞 2008年4月26日 13時46分(最終更新 4月26日 14時17分)

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