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高層ビル「だるま落とし」で解体 鹿島が新工法を実用化

2008年04月26日18時50分

 ビルを「だるま落とし」のように解体する――。大手ゼネコンの鹿島が、中高層ビルを下の階から取り壊す工法を実用化した。東京・元赤坂にある同社の旧本社ビルで、実際に進めている。

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3階部分だけ抜き取った鹿島旧本社。元は20階建てだった=鹿島提供

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4〜6階も解体され、背が低くなった=鹿島提供

 新工法はまず、耐震用の補強をし、そのうえで元からあった柱を切り取り、代わりにジャッキを差し込む。その後、ジャッキを縮めて、上層部を下ろすという手順だ。

 これまでは、重機などを最上階に運び、上から壊していた。これに対し、新工法は低い階で大半の作業をするため安全性が高まり、舞い散る粉じんも3割減る。廃材のリサイクル率も50%から93%に向上するという。費用はいまのところ従来工法より割高だが、今後の技術開発で安くできる見通しという。

 鹿島の旧本社ビルは20階建て。3月からの工事で4階分解体され、高さは75メートルから60メートルになった。1階に当たる部分しかフェンスで囲っていないため、担当者は「周りには解体工事が行われていると気づかれていないのでは」と話している。

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