はじめまして。京都でのんびりと大学院生活を過ごしているスズと申します。
大学院では、学部のときの卒論と同じように修士論文というものを書かねばなりません。何の因果か私がこの修論のテーマに選んだのは「女性向けアダルトビデオ」。
もともとジェンダーやセクシュアリティに関する問題には興味があったのですが、修論の具体的なテーマは何にしたものだろうと考えあぐねていました。参考にしようとあれこれ本を読んでいる中で、ふと目に留まったのが「女性向けアダルトビデオ」の文字。それまでアダルトビデオはよく見てたけど、「女性向け」なんて見たことないし、一体どんなもんなのかしら??というところがスタートでした。本当は、それ以外にもいくつか興味のあるテーマはあったのですが、きわめて合理的な理由で(期間内にちゃんと書きあがりそう←ダメダメ院生・・・)「女性向けアダルトビデオ」としばらくおつきあいしていこうと決めました。
こんなゆるーいスタートではありましたが、資料を読んだり関係者の方にお話を伺ったりしていると、これが面白い!そして深い!みなさまには、私が修論作成を通して知ったこと、考えたことなどをおすそ分けしていけたらなと思っています。
ショップで女性向けとして販売されているビデオには大きく分けて、@女性向けに制作されたもの、A男性向けに制作されたビデオの中からショップスタッフの方が一定の基準をもって選んだもの、の2種類があります(ラブリーポップHPをご覧のみなさまならご存知ですよね☆)。私は@を中心に研究したいと思っていたのですが、実際調べ始めると、現在女性向けに制作されているビデオはほとんどない(!)、ということに気づいてしまいました。しかし、どうやら数年前に一度「女性向けアダルトビデオ」ブームらしきものがあったらしいこともわかったのです。それなのに、その時期作られた会社も作品も、なぜだかいま探してもほとんど見当たらない。(修論のテーマに選んだけど、「女性向けアダルトビデオ」ってもしかしてもう終わった話?!こりゃまずい!!)と焦ったのですが、色々な方に聞いてみると、実際は少し違ったようです。
2000年ごろ、世の中の不景気もなんのその、バブルが続いていたアダルトビデオ業界にもついに氷河期が訪れました。その気配を感じとった制作側は、氷河期を乗り切るための新ジャンル開拓の必要性を感じ始めました。そのときに彼らが目をつけたのが「女性向け」作品だったのです。その根拠となったのは、衛星放送の視聴率でした。アダルトチャンネルの時間帯別視聴率を調査したところ、午前11時から午後3時までの時間帯がなぜか最も高い。そこから導き出されたのは、今まで考えもされなかった「AVを見る主婦層」という存在。「女性もアダルト映像を見たがっている」ということが初めて数字で示されたのでした・・・。
それからどうなる!女性向けビデオはなぜなくなったんだ?!気になる続きはまた来月!!ご意見・ご感想・お叱りなどなどメール待ってます!!!
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