山口県光市の母子殺害事件を巡り、青山学院大の女性准教授が昨年9月の個人ブログで、「事件の死者数は1・5人で、無期懲役とした1、2審判断が妥当」などと記載したことに、広島高裁の死刑判決後に同大へ批判の電話などが相次いだ。同大の伊藤定良学長は25日、「記述が適切ではなく、関係者に多大な迷惑をかけた」と大学のホームページで謝罪した。
准教授は、事件の遺族が高裁で死刑を求める陳述をした翌日の昨年9月21日付ブログで「死刑は重すぎるように思えてならない。犯人が少年だからだ。子供を死刑にするのは正義感に合わない。最低でも永山基準くらいをラインにしてほしい。永山事件の死者は4人。この事件は1・5人だ」などと記した。
同大によると、判決翌日の23日に「子供の命を0・5人と数えている」と批判する電話が数件あった。24日以降は、「電話が鳴りっぱなし」(同大広報課)の状態になった。
伊藤学長は25日、「子供の命を0・5人と数えるのは社会通念上、適切ではない」と、本人に口頭で注意。准教授も26日、個人ブログで謝罪した。【川崎桂吾】
毎日新聞 2008年4月26日 東京夕刊