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有機ELディスプレイとFull Front Styleを採用した「W61SA」の開発秘話について、企画担当の田中宏幸、秀川美奈、デザイン担当の北村和生に聞いてみました。
-W61SAのデザインコンセプトは「別世界」ということですが、このデザインコンセプトをどのように表現されたのでしょうか?
北村:
W61SAは、ディスプレイが通電していない時は、真っ黒で何も見えませんが、通電すると、色鮮やかで綺麗な有機ELの画面が現れます。
また、W61SAの本体は、閉じている時は、シンプルですっきりしたデザインですが、スライドすると、金属感のあるキーや意外性のあるカラーが現れます。
そういった、通電していない時と通電している時、閉じている時とスライドした時の世界観の違いを前面に出すことで、「別世界」を表現しました。
-確かに、閉じている時とスライドした時では全く違った雰囲気が感じられますね。デザインで一番こだわられた部分はどこですか?
北村: 一番こだわったのは、やはり閉じている時とスライドした時の世界観の違いですね。 ユーザーの皆さんに、スライドすることによる変化を楽しんでいただければと思っております。
-個人的にはグレースピンクに惹かれたのですが、よく見ると、ピンクの濃淡や色合いが、それぞれのパーツによって少しずつ異なっているように見えるのですが、詳しくご説明いただけますか?
北村:グレースピンクは女性を意識してデザインしました。
女性は、激しいコントラストよりも、穏やかな色合いの変化やグラデーションなど、繊細な色合いを好まれるようですので、
光があたって色合いが変化しているようなグラデーションに調整しました。
また、近似色や同系色を使用して素材の違いを出し、女性に喜んでいただけるような繊細な色合いに仕上げました。
-W61SAには有機ELディスプレイが搭載されておりますが、搭載する上で苦労された点を教えてください。
田中:W61SAのディスプレイ部には、従来の空気層が介在する構造ではなく、
特別な樹脂を使用し、有機ELディスプレイと強化ガラスを密着させたファインパネルという構造を採用しているのですが、
樹脂の厚みなどの僅かな誤差で、色合いや仕上がりが変化してしまいますので、有機ELディスプレイの完成度を高めるという点で非常に苦労しました。
ですが、ファインパネルを採用したことで、光の乱反射を防止することができたため、屋外などのシチュエーションでも、色鮮やかな映像を楽しんでいただくことができます。
また、強化ガラスを使用したことで、耐衝撃性を高めることができただけでなく、傷のつきにくい、透明度の高い綺麗なディスプレイに仕上がっております。
-なるほど。有機ELディスプレイは、従来の液晶ディスプレイに比べてコントラスト比が高いと思いますが、ワンセグなどが見やすい、ベストな色合いに調整するまで、苦労されたのではないでしょうか?
田中:そうですね。有機ELディスプレイは、色再現性が非常に良く、黒い色の表現がとても豊かなので、
従来の液晶ディスプレイに比べて、黒つぶれなどは起こしにくいのですが、開発当初は色がきつく出てしまっていましたので、自然な色を表現するために、調整を重ねました。
なお、ディスプレイ照明の明るさ設定を自動調節モードに設定していただくと、ワンセグを視聴する時に、
周囲の明るさに応じてディスプレイの輝度やコントラストが自動的に調節されるようになりますので、
屋外などのシチュエーションでも、綺麗な映像を楽しんでいただくことができます。
-W61SAでは新しいスライドのスタイルである、Full Front Styleを採用されていますが、なぜ、Full Front Styleを採用されたのですか?
田中:ユーザーの皆さんに、新しい驚きとワクワク感を持ってもらいたいというのが大きなポイントです。
閉じている時は、テレビなどのAV機器のように見えますが、スライドすると、キーが現れて携帯電話らしい見た目になるというように、携帯電話らしくない新しさを表現するために、Full Front Styleを採用しました。
また、従来のスライドスタイルではLCD側にあったキーを、ダイヤルキー側に配置することで、段差を気にすることなく、二つ折りの携帯電話と同じように操作できるようにしております。
-なるほど。確かにFull Front Styleだと、二つ折りの携帯電話と同じように操作できますね。タッチセンサーの搭載に至った経緯を教えていただけますか?
田中:閉じている状態でも操作できるようにしたかったのですが、ただキーを載せてしまうと、従来のスライドケータイと同じものになってしまいます。
閉じている時には画面だけが見えるFull Front Styleを採用したかったので、使用時には操作できるが、普段は見えないタッチセンサーを搭載しました。
-なぜタッチセンサーは4つなのですか?
秀川:ワンセグを視聴する時などに、ユーザーの皆さんがよく使用される音量調節や選局などの操作ができるように、タッチセンサーを4つにしました。
他にも、タッチセンサーを使用して、音楽を聴いている時には、音量調節や選曲などの操作ができますし、カメラで撮影する時には、ズームや露出補正といった操作ができます。
-キーイルミネーションの光がとてもなめらかで綺麗なのですが、この表現を完成させるのに苦労されましたか?
秀川:従来のキー照明の明るさを保ちつつ、キーイルミネーションを綺麗に表現することに苦労しました。 また、高級感のある、なめらかな光を演出するために、調整を繰り返しました。
-実際にW61SAを使用してみて、お勧めの機能などはありますか?
秀川:FMトランスミッターやスムースタッチ®がお勧めです。
FMトランスミッターに関しましては、お客様からのご要望にお応えして、充電しながら使用していただけるようになりました。
充電しながら使用することができますので、車内などでも長時間使用していただけます。
また、スムースタッチ®に関しましては、W54SAで搭載した便利な機能を引き続き搭載しておりますので、ぜひ一度お試しください。
-ありがとうございます。では最後にユーザーの皆さんに一言お願いします。
秀川:W61SAは、Full Front Styleを採用しており、従来のものとは違う新しいデザインとなっておりますので、男女問わず、いろんな方に使っていただきたいと思っております。
どうぞ宜しくお願いします。