丹沢山地の情報を発信するホームページ「丹沢自然環境情報ステーション(e-Tanzawa)」に、希少生物や外来生物の目撃情報を登録するコーナーが登場した。ニホンカモシカやアライグマなど、登山客らが見かけた生物の情報を集めて保全活動に役立てる目的で、運営する県自然環境保全センターは協力を呼びかけている。
登録コーナーは▽ハクビシンやブラックバスなどの外来生物▽ツキノワグマ、モモンガといった希少生物▽シカやイノシシのように田畑などで食害を与える生物--の三つ。それぞれ目撃した種類や日時、写真の登録欄があり、地図上から目撃地点を座標で特定することもできる。
センターによると、丹沢は大気汚染や食害などでブナ林が衰退し、外来種の増加による生態系への影響も懸念される。県は04~05年にかけて専門家や自然保護団体などによる総合調査を実施。07年3月に保全計画を改定し、自然保護と再生に取り組むことにしている。
だが、丹沢は広く、多様な動物が生息しているため、対策を練るための情報が不足しがちという。このため、丹沢に親しむ登山客や自然保護団体などの協力を得て、より多くの情報を集めることにした。担当職員の羽太博樹さんは「登録が増えれば、今後の対策の基本情報になる。自然保護への関心も高まれば」と期待する。アドレスはhttp://e-tanzawa.jp。【五味香織】
毎日新聞 2008年4月10日 地方版