「日本人は集団主義」という見方は誤りで、周りへの同調しやすさは米国人並み――。東京大学と京都光華女子大学のグループが心理学の実験からこんな結果をまとめた。近く米心理学専門誌「ジャーナル・オブ・クロスカルチュラル・サイコロジー」に発表する。
実験では同じサークルの学生5―9人に、1本の線を書いた紙と、長さの違う3本の線を書いた紙を同時に見せて、1本の線と同じ長さの線を3本から選んでもらった。ただ1人を除き残りの参加者は“サクラ”で、不正解の線のうちの1本を一致して選ぶようにあらかじめ指示しておいた。
3本の線は間違えることがないほど長さをはっきり違えていたが、それでもサクラの人の判断に同調して不正解の線を選ぶ割合は25%。米国人で実施された同様のテストの結果と差がなかった。高野陽太郎東大教授は「日本人は和を乱すことを嫌い近しい人の言葉には同調しやすいという通説は間違い。米国が異なる文化を持つ国に対して投影したイメージを、日本人自らが信じてしまったと考えられる」と話している。(07:00)