北京五輪の聖火リレーは26日、長野市の県勤労者福祉センター跡地から若里公園までの18・7キロ区間で行われる。チベット問題をめぐる中国への抗議行動の広がりを受け、25日に到着した聖火は長野駅前のホテルで厳重に管理された。市実行委員会は同日、聖火ランナー向けの説明会を開催。篠原邦彦事務局長は「安全にリレーできるよう万全を期す」と述べた。
市役所で開いた説明会には、80人の走者のうち一般公募などの43人と、著名人の代理人が出席。専用のユニホームなどを受け取り、聖火受け渡しの手順やバスを使った移動などの説明を受けた。質疑では、大掛かりな警備が敷かれる中で、沿道の家族や知人から見えなくなることを懸念する声も出た。
一方、同市の中心市街地ではこの日、中国政府に抗議する団体が相次いで集会やデモ行進を行った。県警は長野中央署に石井隆之県警本部長をトップとする警備本部を設置。中国側随行員ら約130人が宿泊、聖火を保管するホテル周辺などで24時間態勢の警戒を続けた。
25日夕には、出発式会場近くで刃物を所持していた自称僧侶の男を銃刀法違反容疑で逮捕。聖火リレーに抗議する内容の文書を持っており、リレーに関連した初の逮捕者となった。
リレーは午前8時半にスタート。長野五輪関連施設を巡り、正午すぎに若里公園に到着する予定。
【写真】北京五輪の聖火を置くホテル周辺は厳重な警備態勢が敷かれた=25日夜、JR長野駅前