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【レポート】

難しくとも挑戦! みんなが熱中した『子供の科学』の工作を集めた展示会開催中

2008/04/09

岩村拓也

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東京・銀座のINAXギャラリー1において、3月5日より「工作の時代 展-『子供の科学』で大人になった-」が開催されている。会期は5月24日まで。開場時間は10時〜18時で、日曜祝日休館。入場無料。また6月6日からは、大阪での展示を予定している。

多くの工作を紹介してきた『子供の科学』。展示物をとおして、これまでの歩みを振り返ることができる

『子供の科学』は864号まで発行(2008年4月9日現在)。会場では100冊以上の表紙を見ることができるが、それでもほんの一部

『子供の科学』は誠文堂新光社から1924年に創刊された科学雑誌。その時代の最新研究や身の回りで起こる現象などをわかりやすく解説し、子どもたちに長年親しまれ続けている。なかでも大きな要素が、設計図や制作方法を載せた「工作」。今回の展示会ではその工作にポイントを置き、ものづくりの魅力を伝えようという内容となっている。

戦闘機が表紙となった1940年8月号(写真左)に、スーパーファミコンの特集を組んだ1990年12月号(右)。時代の変化とともに、内容も大きく変わるのが見て取れる

会場には、20点以上の工作を展示。展示会開催にあたり、おもちゃ病院ボランティア「ねじまわし」が再現制作を担当した。また再現工作のほかにラジオ30点以上や付録の設計図なども展示され、『子供の科学』に関係する様々なものを目にすることができる。

再現工作はボランティアの「ねじまわし」が担当。技術者経験のあるメンバーで構成され、2000年の発足以来1,700個以上のおもちゃを修復している

「よく飛ぶ紙飛行機」は、1961年より現在まで40年以上続く人気特集。円形の翼を持つものや、ライト兄弟の飛行機を再現したものなど、様々なものが付録されてきた

ビンのフタや竹ひごを使って作られた、ハエ追い機。材料は、子供でも手に入れやすいものを使う工夫がなされている(1959年8月号掲載)

電灯で絵を浮かび上がらせる、まわり灯ろう式電気スタンド。比較的簡単に作れそうに見えても、羽根の角度など正確に計らなければ、うまく絵を映し出すことはできない(1958年6月号掲載)

頂上のモーターで動く自動模型ケーブルカー。本物のケーブルカーと同じ仕組みが使われた(1950年9月号掲載)

底部の反射鏡を使って光を集める、ニュートン式と呼ばれる反射望遠鏡。天文科学に関する特集も多く、望遠鏡の工作記事も多数掲載された(1948年9月号ほか掲載)

蒸気機関車などに使われたオシレーチングエンジン。実際にボートを動かすほどの力を持つ(1961年11月号掲載)

掲載された工作のなかでも、最高難易度とされる8ミリ映写機。コマ送りを実現するには、正確な部品の削り出しが要求された(1961年3月号掲載)

キャラメル箱で作るジープは、戦後の時代背景を感じさせる。ボディのフォルムなど、特徴がよくとらえられている(1951年1月号掲載)

電気工作として人気の高かったラジオ。真空管やトランジスター、ICを使うものなど年代によって様々

戦前に多かった付録が、機関車や船舶の設計図。本格的な青焼き図面で描かれている

電気機関車EF53の模型。『子供の科学』初期の工作を数多く手掛けた、山北藤一郎の作品

会場では再現工作の様子を、映像で見ることも可能。どの職人さんたちも、工作のポイントをうれしそうに解説

展示物を見て驚かされるのは、作品の幅広さ。簡単に作れる紙飛行機から、難しい加工を必要とする映写機までならんだ。子どもたち全員がすべての作品を作れたわけではないだろうが、どの作品も子どもたちに限らず大人の知的好奇心も満足させる本格的なものとなっている。ぜひ、その工作の持つパワーに触れてみてはいかがだろうか。

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