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豪州で聖火リレー「青い軍団」蚊帳の外 25日に長野へ
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【シンガポール=藤本欣也】北京五輪の聖火リレーが24日、オーストラリアの首都キャンベラで行われた。フランス通信(AFP)によると、沿道には北京五輪を支持する中国人留学生や中国系住民ら約1万人が集結、中国の人権弾圧に抗議するチベット人ら約2000人のグループを規模で圧倒した。小競り合いなどが起きて7人が拘束されたが、聖火リレーは大きな混乱はなく終わった。聖火は25日に長野市に到着する。
豪州政府は今回、中国が派遣した「聖火防衛隊」には聖火を警護する権利はないとして認めず、約10人の豪警官がランナーの周りを囲んで走った。聖火防衛隊は火の管理をする名目で2人だけが伴走を認められたが、聖火に近づこうとすると豪警官に阻止される一幕もあった。
聖火リレーは当初、中国大使館前を通る20キロのコースで予定されていたが、警備上の理由から大使館を通らない16キロのコースに短縮された。妨害を防ぐためバリケードが張り巡らされる中、競泳男子金メダリストのイアン・ソープ氏ら約80人が聖火をリレーした。
沿道では、豪州各地から集まった中国人留学生や中国系住民が中国国旗を掲げながら、「ワン・チャイナ(中国はひとつだ)」を連呼。これに対し、チベット人のグループは「フリー・チベット(チベットに自由を)」と叫んだ。聖火ランナーの前で座り込もうとして拘束された男性もいた。
報道によると、中国大使館などがバスをチャーターし、シドニーやメルボルン在住の中国人留学生、中国系住民をキャンベラに動員。中国系学生組織も「豪州の中国人学生はわれわれの聖火を防衛する義務がある」などと参加を呼び掛けたという。