【キャンベラ井田純】オーストラリアの首都キャンベラでの北京五輪聖火リレーに、1万人以上の中国系住民や留学生が集まったことについて、キャンベラのスタンホープ首都特別地域首席大臣は「中国大使館が関与していたことは明らかだ」と述べ、中国当局による組織的動員だったとの見方を明らかにした。25日付地元紙が伝えた。
24日の聖火リレーでは、大型バスなどで1万人以上の中国系住民がキャンベラ入りし、スタート会場などに集結。チベット系のグループや人権団体に激しく抗議するなど、圧倒的多数による「北京五輪支持」デモを展開していた。
スタンホープ氏は「中国大使は、シドニーやメルボルンの中国系団体代表と接触を重ねていることを示唆していた」と述べ、大使館の関与は「疑う余地がない」と明言。デモで使われた多数の中国国旗なども、「当局から提供されたものに違いない」と語った。
毎日新聞 2008年4月25日 20時20分