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選挙:衆院選・山口2区補選 自、民とも「予防線」 民意測りかね

 衆院山口2区補選が15日告示され、自民・民主一騎打ちの選挙戦が幕を開けた。揮発油(ガソリン)税の暫定税率問題を前面に戦う民主党と、争点から隠す自民党。双方とも深刻な影響を避けるため早くも予防線を張る中、民意を測りかねている面もみられる。【西田進一郎、野口武則】

 自民党にとって補選敗北は、29日以降可能になるガソリン税の暫定税率復活に向けた租税特別措置法改正案再可決のハードルを一層高くする。民主党が「民意が再可決にノーを突きつけた」と攻勢を強めるのは必至だからだ。ガソリン再値上げにつながる再可決は内閣支持率の一層の低下を招くとみられ、「ポスト福田」をにらんだ党内政局のきっかけになりかねない。町村信孝官房長官は15日の記者会見で「全国民の判断を山口2区の方々に委ねたつもりはない」と、あえて言及してみせた。

 一方で、自民公認の山本繁太郎氏がガソリン税問題を避け地域活性化に絞って訴えているだけに、補選に勝っても租特法改正案再可決に支持を受けたと主張しにくい悩ましさも伴う。

 補選は福田政権で初めての国政選挙。もし敗れれば、首相の求心力が一層低下する中で租特法改正案再可決に臨まざるを得ず、低落傾向の内閣支持率について「10%台に落ち込む」(自民党中堅議員)との厳しい声もある。

 一方、民主党にとって補選の敗北は、その後の国会戦術に直接影響しかねない。「ガソリン値下げの実績」を前面に補選を戦う背景に、租特法改正案再可決阻止に向けた世論喚起の狙いがあるためだ。負ければ世論が再可決を容認したと受け取られ、「再可決が強行されても世論の支持を追い風に首相の問責決議案を提出し、解散総選挙に追い込む」とのシナリオは練り直しを迫られる。

 民主公認の平岡秀夫氏応援のため既に現地入りした小沢一郎代表は、15日の会見で「補選に負けたら『再可決やむなし』の審判と考えるか」と問われ、「個々の選挙戦イコール政策うんぬんではない。480のうちの1議席でどうのこうのということは乱暴だ」と予防線を張った。党内でも「勝敗は五分五分」(中堅議員)と厳しい見方が広まり、問責決議案提出も「世論の支持を得られない」と慎重論が拡大しつつある。

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 ◆立候補者(届け出順)

山本繁太郎(やまもと・しげたろう) 59 [元]国交省局長=自新[公]

平岡秀夫 (ひらおか・ひでお)   54  弁護士=民前(3)[社]

毎日新聞 2008年4月16日 東京朝刊

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