民主党は「道路特定財源を08年度から一般財源化する」という党の主張に反し、道路整備財源特例法改正案に「09年度からの一般財源化」という政府・与党決定の趣旨を盛り込む修正案提出の検討を始めた。
同様の修正を求める声が与党の中堅・若手議員の間に広がっていることを重視し、修正協議で与党を揺さぶる思惑がある。ただ、政策的整合性よりも政局的判断を優先させることに、党内には疑問の声も残っている。
民主党は16日の「次の内閣」会議で08年度からの一般財源化を確認しており、党幹部は「修正案を提出するなら、党方針も直さなければならない」と認める。ただ、党の方針と明らかに矛盾してでも検討に値する手法だとの政局論が党内の大勢で、幹部の一人は「修正案の早期提出もあり得る」と、あくまでも修正協議を優先させる考えを示している。
与党を追い込む「切り札」である首相問責決議案提出が先送りされる可能性が強まっていることも、党内情勢に影響を与えている。
問責決議案をめぐっては、小沢一郎代表は周辺に「提出するタイミングは4月30日だけではない」と漏らし、租特法改正案の再可決直後の提出は見送ることを示唆。党幹部は24日夜、「今回、小沢氏は日銀正副総裁人事の時と違い、党内議論の大勢を踏まえて判断しようとしている」と語った。こうした局面の中、特例法改正案の修正が当面の選択肢として浮上した。
「(特例法改正案を廃案に追い込むことと修正案を提出することは)検討課題として本質的に差はない」。菅直人代表代行は24日の会見で苦しい弁明に終始したが、党内の一部からは「政策的に説明できないことはしない方がいい」(政調幹部)との声が出ている。【上野央絵】
毎日新聞 2008年4月25日 1時01分