南横浜病院を12月に廃止−国立病院機構

 独立行政法人国立病院機構(矢崎義雄理事長)は4月25日までに、横浜市の南横浜病院を今年12月1日に廃止することを明らかにした。全国の国立病院・療養所が2004年に同機構に移行してから、赤字経営を理由に病院が廃止されるのは今回が初めてで、南横浜病院の土地と建物は売却し、債務の返済に充てるという。

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 同機構では、過去の債務が返済できない、または単独で運営費を確保できない状況にあるなど、早急な経営改善を必要としている病院に対し、病床規模や人員配置などを見直す「経営改善計画(再生プラン)」の策定を求めている。南横浜病院は今年3月に再生プランを提出したが、同機構が「達成不能」と判断。4月8日に年内の廃止を決定していた。

 同病院は1937年、神奈川県立結核療養所として開院し、横浜市内の結核医療で中心的な役割を担ってきた。2004年に全国の国立病院・療養所が同機構に移行した際には、結核病床147床、一般病床138床の6病棟285床で運営。しかし、結核医療は「不採算部門」として同機構が病棟の集約を行ったため、今年3月には結核病床49床、一般病床42床の2病棟91床にまで減っていた。

 同機構の職員で構成する全日本国立医療労働組合(全医労)などは4月24日、廃止に反対する声明を発表。この中で、「神奈川県内の結核医療の基準病床が、南横浜病院の廃止で不足することになるため、県や横浜市も同病院の廃止を見直すよう求めていた」と指摘した上で、「効率最優先の経営方針を変更すべき。廃止を強行せず、地域医療に責任を持つべきだ」と、同機構を批判している。

 同病院の廃止について、全医労では同機構に地元の合意などを求めていたが、現時点では「神奈川県と横浜市に説明した」との回答にとどまっているという。職員の雇用確保に関しても「基本的に通常の人事異動で行う」としており、全医労は「通常の人事異動ではなく、職員の第一希望を実現せよ」などと抗議している。


更新:2008/04/25 15:25     キャリアブレイン

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