中国によるチベット弾圧に反対する集会が、名古屋市の若宮大通り公園で行われました。集まっている人たちはかなり似たような年齢層、似たような格好にみえました。不思議に思い、聞いて見ると、参加のきっかけは「2ちゃんねる」や「mixi」のコミュニティでした。
若宮大通公園の東側、久屋大通り公園の南端でチベットの旗を掲げる人。
目次
P1.従来の市民運動とは空気が異なるデモ参加者
P2.
名古屋で500人の動員はイラク反戦以来
従来の市民運動とは空気が異なるデモ参加者
中国によるチベット弾圧に反対し、「チベットに自由を」求める集会が、名古屋市の若宮大通り公園で行われました。この日、集会とデモがあることは、筆者も知ってはいましたが、いったい誰が呼びかけていて、どこがやるのか? 名古屋で反戦運動や平和運動界隈にすこしかかわりのある人も、よくわからなかったようなので、顔を出してみました。まず、会場近くにいくと、チベットの大きな国旗をもった人が路上に立っていて、集会場所のほうを指差しています。その方角に向かっていくと、高速道路の高架下の公園に、かなりの数の人たちが集まっていました。
集会に集まっていた人々は400人ほど。集まっている人たちは、みな一様にチベットの旗をもったり、プラカードをもったりしていました。主催者の挨拶があり、これから行なわれるデモの説明がありましたが「市民運動」の人たちとは、かなり違う印象を受けました。このデモに際して、ボランティア保険に入っているが、喧嘩や衝突などのトラブルなどが発生した場合は、保険の対象外になるとのことでした。デモにいくのにボランティア保険にはいるなんて初めてききましたが、入れるものなんだなぁと、へんなところに関心してしまいました。
また、集まっている人たちが、かなり似たような年齢層、似たような格好にみえることが気になったので、何人かの人に聞いてみたところ、普段は平和運動や市民運動に参加したことがない人たちばかりでした。そして、このデモに参加することにしたきっかけは、「2ちゃんねる」や「mixi」のコミュニティで知った、という方が圧倒的に多かったのには驚きました。
若宮大通公園の通路にて、チベットの旗を掲げて通行人にアピールする人たち。
どうやら、参加者の人たちは、日常生活では、チベットのことや政治活動、市民活動に興味がない人がかなりの数に上るようでした。普段は街頭に出ることや市民活動はしないのに、なぜチベットの問題には関心があって出てくるのですか、との問いには、言葉が詰まる方も何人かおられました。
何人かのひとは、やはりチベットが酷い状態であるとか、中国が悪い、ということを話してくれましたが、情報源は、「2ちゃんねる」だったり、TVなどの聖火をめぐる報道だったり、「mixi」やブログなどだったりするようでした。
集まっている人たちは『雑多な感じ』というよりは、ある程度の年齢層や嗜好性がみられるように思いました。年代としては、自分の年代前後。年齢は高くて40歳代まで。インターネットを介して情報源にアクセスしている、というか、多くの場合はインターネットといっても新聞というよりは、「2ちゃんねる」「mixi」などで情報を得ている。既存の政治活動や市民活動には無関心。場合によっては嫌悪感がある人も。全体的に、生活時間の中で、インターネットがかなりのウェイトを占めている人たちが多いように思いました。皆が持っているチベットの旗などのプラカードは、インターネット上でダウンロードをしてきたものも多いそうです。
デモ隊の先頭部分。チベットの旗が目立つ。
集会のあと、デモ隊が出発しました。すぐに目に付くだけで、制服の警察官が40人ほど、ほかにも制服ではない関係者らしき人たちがそれなりの数いました。このようなものものしい警備になることについて、参加者の一人は、自分たちは平和に訴えたいだけなのに過激派のような扱いで驚いた。と話していましたが、これはむしろ少数意見でした。何人かの人たちは、警察の誘導によって無事にデモができてよい、ということを話していました。
このあたりの発想方法は、いわゆる『活動家』の人たちはとだいぶ違います。そういった意味では、ほんとうに「一般市民」の人たちなのだなぁと思いました。
デモ隊のシュプレヒコールは、
チベットに平和を
ダライラマと対話を
ストップ・キリング
セーブ・チベット
チベットに言論の自由を
チベットに教育の自由を
チベットに宗教の自由を
パンチェンラマを返せ
などでした。シュプレヒコールの内容は統一されているようで、マイクを持つ人は紙を見ながら話していました。
集会の様子。スカーフをしているのが主催者側のスタッフ。
|
デモ隊の最後尾。お坊さんらしき人が2人いる。
|
|
◇ ◇ ◇