大阪府の橋下徹知事直轄の改革プロジェクトチーム(PT)は24日、府公安委員会と「財政再建プログラム試案(PT案)」について議論した。PT案では警察官を520人削減するとしているが、府警は「府民の安全を守るため到底受け入れられない」と強く反発。橋下知事は議論終了後、「府警のみなさんに、少しずつ我慢をお願いしたい」改めて訴えた。
2日目となったこの日の議論では、府警側が「治安に対する安心感は知事がおっしゃる府民が笑うための根源的なものと認識している。ひとたび悪化した治安は容易に回復しない。そのツケは善良な市民が犯罪被害者になるという形であらわれる」と警察官の削減を盛り込んだPT案を牽制(けんせい)した。
PT側は「1人でも2人でも削減できる余地がないかみていただきたい」と注文を付けたが、府警側は「総数として削るということは今の治安ではありえない」と真っ向から反論した。
議論の中では橋下知事は一度も発言しなかったが、議論終了後に記者団の取材に対し、「人員の適正配置ができないかどうかを議論すると府警側もいわれていた。警察のみなさんに少しずつ我慢をしていただけないか。現在の治安を維持しながら汗をかいていただけませんかとお願いする」と述べた。
府の治安状況については、平成19年の人口10万人あたりの刑法犯の認知件数は2454件で全国ワースト1。路上強盗や自動車盗、ひったくりなどの街頭犯罪の認知件数も11万4432件と全国ワースト1で、2位の東京都(9万1286件)を大きく上回っている。
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