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チーム医療の説明責任は? 最高裁、初判断示す
このニュースのトピックス:民事訴訟
外科医や麻酔医、看護師らが連携して医療を行う「チーム医療」の総責任者が、患者に手術の危険性などを説明する義務を負うかどうかが争点となった訴訟の上告審判決が24日、最高裁第1小法廷であった。甲斐中辰夫裁判長は「主治医の説明が十分ならば、総責任者は自ら説明しなかったことの責任を負わない」との初判断を示した。
その上で、総責任者個人の説明義務違反を認めた2審大阪高裁判決を破棄、主治医の説明が十分だったかなどを審理するため大阪高裁に差し戻した。
訴訟は、近畿大学医学部付属病院で平成11年、心臓手術を受けて死亡した男性の遺族が、チーム医療の総責任者だった医師らに損害賠償を求めたもの。
1審大阪地裁は遺族の請求を退けたが、2審は「総責任者は手術の危険性を説明する義務があったのに怠った」として、330万円の支払いを命じていた。