MDMA6万錠押収 元暴力団員ら7人逮捕 神戸港
2004/11/20

押収された合成麻薬MDMA=神戸税関
 神戸港を通じた合成麻薬MDMA約六万錠(末端価格約三億円)の密輸入事件で、兵庫県警薬物対策課と近畿厚生局麻薬取締部神戸分室などは十九日までに、麻薬取締法違反(密輸)などの疑いで、指定暴力団山口組系元組長(32)=熊本市=ら七容疑者を逮捕、主犯格のイスラエル国籍の露天商の男(33)ら二人を指名手配した。

 露天商の男は事件発覚直後、国外逃亡したとみられ、同課などは同日までに、警察庁に国際刑事警察機構への国際手配を依頼した。

 今回密輸されたMDMAは、錠剤に破片などを加えると六万四百三十一錠分で、昨年四月に東京国際空港から密輸された量を超え、過去最大だったことが分かった。

 このほか逮捕されたのは、別の同組系元組員(29)=不定、英国籍の無職の男(24)=不定=ら。

 調べによると、九人は六月二十八日、オランダから神戸港に約六万錠のMDMAを密輸入するなどした疑い。

 これまでの調べで、密輸入は、露天商ら外国人マフィアと組長ら暴力団側が役割分担して行われたとみられている。今年四月、露天商から密輸話を持ち掛けられた組員が、組長にMDMAの受け取り役の準備などを相談。

 マフィア側が今年六月上旬、オランダ・ロッテルダム港からMDMAを木製机内に隠し発送。同月下旬、机が神戸港に到着後、暴力団側が、荷受け場所の熊本市内のマンションで、マフィア側とともに受け取る予定だったという。

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