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<最古の編み布>北海道「柏木川4遺跡」から出土

4月25日1時55分配信 毎日新聞


 北海道埋蔵文化財センターは24日、恵庭市柏木町の「柏木川4遺跡」から縄文時代後期(約3200年前)に作られたとみられる国内最古の編み込み模様のある布が出土したと発表した。縄文期の布は山形県高畠町の「押出(おんだし)遺跡」や小樽市の「忍路土場(おしょろどば)遺跡」などから出土しているが、模様のある編み布は初めて。同センターによると、衣服の一部とみられ、未解明の縄文期の服装を知る手がかりとして注目される。

 編み布は06年秋、恵庭市を流れる柏木川近くの泥炭層に幅0.6メートル、長さ1.2メートルの範囲で埋まっているのが見つかった。炭化が進んでいたが、構造解析の結果、太い横糸に細い縦糸を絡ませて複雑に編み込んだ布であることが判明。編み込み方法は数種類あり、表と裏の模様が違うほか、穴を開けたり溝を付けるなどの細工も施されていた。材質は植物性の繊維で、材料などの詳しい分析を進めている。

 有機質の布は腐敗しやすく、縄文期の布が出土するのは珍しい。柏木川4遺跡は地質が安定し、適度の水分があるなど保存環境に恵まれたとみられる。

 縄文人の生活は未解明の部分が多いが、昨年6月に国宝に指定された函館市・著保内野(ちょぼないの)遺跡の「中空土偶」など、予想以上に高度な技術を持っていたことをうかがわせる出土品も見つかっている。編み布の構造解析に携わった国立民族学博物館の吉本忍教授(民族技術)は「想像を絶する極めて複雑な編み方。衣服に使われた可能性が高く、これまでの縄文時代のイメージを塗り替える発見だ」と評価している。【千々部一好】

最終更新:4月25日2時1分

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