歴史の中で培われた伝統を抱きながら、変わり続ける私たちの生活。
世の中を広い視点でとらえ、未来のビジョンをつくりあげる“フューチャリスト”という言葉が注目されています。
「未来派の芸術家」を意味するFUTURIST。その意味は伝統に根ざした世界に生き、映画、ドラマ、現代劇と活動のフィールドを広げている歌舞伎俳優の中に脈々と受け継がれているのではないでしょうか。
歌舞伎の技と心を自らの中に秘めながら、彼らは現在をいかに生き、未来に何を残そうと考えているのか。シリーズで伺っていきたいと思います。
今回は尾上松緑さんです。
先月の歌舞伎座吉例顔見世大歌舞伎に続き、今月は京都南座の吉例顔見世興行に出演。
歌舞伎座では『三人吉三巴白浪』大川端庚申塚の場の和尚吉三、南座では舞踊の大曲『三社祭』と次々大役に挑む松緑さんのエネルギーの源とは。